鬼平犯科帳・松本幸四郎、梅安・豊川悦司で映画化

[ 2021年3月12日 14:58 ]

ステージで撮影に応じる梅安役の豊川悦司と平蔵役の松本幸四郎
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作家・池波正太郎さんの人気時代小説「鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安」が新たに映画化されることになり、12日、都内のホテルで発表された。

 「鬼平」の長谷川平蔵役は歌舞伎俳優の松本幸四郎(48)、「仕掛人」の藤枝梅安役は俳優の豊川悦司(58)。幸四郎は「すこぶる興奮している」、豊川は「身が引き締まるどころか縮こまる思い」と思いを語った。

 製作する日本映画放送の杉田成道社長は「日本は50歳以上の人が半分を超えようとしているのに、大人のためのドラマが手薄になっている。時代劇は日本の文化。鬼平と梅安は、根強いファンを持つ池波先生の作品のキラーコンテンツ」と企画意図を説明した。

 「鬼平」は1967年から89年まで「オール讀物」で連載。過去にテレビで松本白鸚さん(69年~72年)、丹波哲郎さん(75年)、萬屋錦之介さん(80年~82年)、中村吉右衛門(89年~2016年)が平蔵を演じ、95年に中村吉右衛門の主演で映画化されている。

 祖父の白鸚、叔父の吉右衛門らに続いて五代目の平蔵となる幸四郎は「鳥肌が立つ思い。自分に近い存在が演じた作品で、喜び以上に驚きがあった。根拠はないが、自信はある」と率直な思いを吐露。父親の二代目松本白鸚ら家族に平蔵役が決まったことを伝えたところ、「あー」「えー」と短い感想しか返って来なかったことを明かした上で「これから徐々に実感していくことになると思う」と話した。叔父の吉右衛門にも既に報告したという。
 
 「仕掛人」は72年から90年まで「小説現代」で連載。過去にテレビで緒形拳さん(72年~73年)、小林桂樹さん(82年~83年)、渡辺謙(90年~93年)、岸谷五朗(2006年)が梅安を演じ、73年に田宮二郎さん、81年に萬屋錦之介さんの主演で映画化されている。

 豊川は「子供の頃、緒形拳さんのを見て『怖いが、かっこいい』と夢中になった。あこがれのヒーローを自分が演じるなんて」と感無量の様子。「当時のドラマには時々、女性の裸が出てきて刺激が強かった。緒形さんの梅安には半分しか光が当たっていなくて、人間の顔はこういうふうに見えるんだと思った。光と闇はどの時代でもエンターテインメントになる」と思い出を踏まえつつ語った。

 2作品はそれぞれ22年以降に撮影開始予定。23年2月に「仕掛人・藤枝梅安1」、同5月に「仕掛人・藤枝梅安2」を公開予定。24年5月に「鬼平犯科帳」を公開予定。

 「鬼平」は杉田成道監督(日本映画放送社長)、「仕掛人」は河毛俊作監督。「鬼平」は映画化に合わせ、山下智彦氏の演出で連続シリーズも制作される。

 幸四郎は「五代目として、進化した鬼平を目指したい」と抱負。豊川は「2020年代の子供たちが『怖いが、かっこいい』と思うヒーロー像を作りたい」と意欲を示した。

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