エディ・ヴァン・ヘイレン氏が咽頭がんの全身転移で死去 65歳

[ 2020年10月7日 09:09 ]

2015年時のエディー氏とデビッド・リー・ロス(AP)

 「ジャンプ」「パナマ」「ダンス・ザ・ナイト・アウェイ」など1980年代を中心に多くのヒット曲を生み出した米国の伝説ロックバンド「ヴァン・ヘイレン」のギタリストとして活躍したエディ・ヴァン・ヘイレンさんが6日、長期におよぶがんとの闘病の末に、カリフォルニア州サンタモニカのセントジョンズ病院で死去。65歳だった。

 右手で弦を押し付ける「ライトハンド(タッピング)奏法」やスプレーでペイントしたギターなどで一世を風靡した同氏は1999年に人工股関節の置換手術を受けていたが、2000年に舌がんと診断されてその後に舌の3分の1を切除。2015年にボーカルのデイヴィッド・リー・ロス(65)、兄でドラムのアレックス・ヴァン・ヘイレン(67)、エディ氏の息子でもあるベースのウォルフギャング・ヴァン・ヘイレン(29)とテレビ用のコンサートに出演していたが、健康状態はすぐれず、医療系や音楽系の専門サイトなどによれば、咽頭がんが脳や他の臓器に転移。昨年11月に退院したあとは化学療法を受けていたが、2度目の結婚で伴侶となったジェイミー夫人、1981年に結婚したバレリー前夫人の子どもでもあるウォルフギャング、さらにアレックスに看取られて帰らぬ人となった。

 エディさんは1955年1月26日にオランダのアムステルダムで生まれ、7歳のときにクラリネット奏者でもあった父親を含む家族とともに米カリフォルニア州に移住。両親が英語を話せなかったために生活には困窮したが、「息子をピアニストにしたい」という母親がピアノを買い与えて音楽人生がスタートした。最初に熱を入れたのは新聞配達で購入したドラム。しかしそれを奪うように叩き始めた兄のアレックスが上達するのを見ると、アレックスが持っていたギターを手にして独学でギタリストへの道を歩み始めた。

 1972年から活動していた「ヴァン・ヘイレン」はさまざまなバンド名を経たあと、1978年1月にシングル「ユー・リアリー・ガット・ミー(キンクスのカバー)」でデビュー。アルバム「1984」では、シングルカットされた「ジャンプ」が世界的な大ヒットとなった。エディさんは1983年にリリースされた故マイケル・ジャクソン氏のヒット曲「今夜はビート・イット」でギターのソロを担当し、ステージでもジャクソンさんと共演。偉大な父を失った息子のウォルフギャングは「このような文章を書くことが信じられません。でも長い間、がんで闘病中だった父がけさ亡くなりました。彼は最良の父であり、ステージの上でも一緒だったことは私にとって人生の贈り物です。心が折れてしまい、この喪失感からいつになれば立ち直れるかわかりません」とツイートしている。

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