NHK会長 経営委からの厳重注意に「番組に影響は受けていない」

[ 2019年10月3日 15:27 ]

東京・渋谷区のNHK社屋
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 NHKの上田良一会長は3日の定例会見で、かんぽ生命保険の不正販売問題を報じた番組を巡り、NHK経営委員会(委員長・石原進JR九州相談役)から厳重注意を受けていたことについて言及。「番組に影響を受けたことはございません」と述べた。

 経営委は昨年10月、日本郵政グループの抗議を受けて「ガバナンス(企業統治)強化」の趣旨で厳重注意。「郵政グループからの申し入れについて、会長に対し視聴者目線に立った対応が行われるよう必要な措置を講ずることをお伝えました」と説明していた。

 また「放送法第32条に規定のとおり、経営員会が番組の編集に関与できないことは十分認識しており、自主自律や番組の編集の自由を損なう事実はございません」としていた。

 上田会長もこの日、「自主自律や番組の編集の自由を損なう事実はございません」と重ねて強調した。

 発端は昨年4月に放送された「クローズアップ現代+(プラス)」の「郵便局が保険を“押し売り”!? 郵便局員たちの告白」。番組はネット上に情報提供を呼び掛ける動画を投稿し、営業の在り方を追及した。放送後、制作現場では新たな動画を投稿して続編を準備。この動画について郵政側は上田会長側に「組織ぐるみでやっているような印象を与える」として削除を要請。やりとりの中で番組担当者が郵政側に「会長は制作に関与しない」との趣旨の説明をした。

 これに対し郵政側は、経営委に文書でガバナンス体制の強化を要請。日本郵政の鈴木康雄・上級副社長(元総務省事務次官)は昨年11月、経営委に感謝する趣旨の文書も送っていた。鈴木氏は総務省で、放送行政を所管する部署の責任者などを歴任した。 

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2019年10月3日のニュース