「世界ふしぎ発見!」草野仁語る番組長寿の理由 開始当時は“二番煎じ”も変化恐れず33年

[ 2019年1月11日 10:30 ]

「世界ふしぎ発見!」の司会を務める草野仁(C)TBS
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 1986年から続くTBSのクイズバラエティー「世界ふしぎ発見!」(土曜後9・00)が19日に節目となる放送1500回目を迎える。「世界へ行こう、世界を知ろう」をテーマに世界のあらゆる“ふしぎ”をクイズとトークで解き明かしていく同局を代表する番組の1つ。初回から司会を務める草野仁(74)と同じく初回から番組携わっている佐藤寿一チーフプロデューサー(CP)に番組の魅力と33年続いてきた長寿の秘けつを聞いた。

 2018年には、さまざまな人気長寿番組が終了。時代の移り変わりとともにテレビ視聴の形態も大きく変化した。そんな中、番組が33年目を迎えたことに、草野は「常識的に言えば、テレビ界では10年続けば大成功。ゴールデンの時間帯で30年以上続いているのは奇跡的です。おそらく二度とないのではないか、と勝手な想像もしますが、放送人として幸せに思います」と感無量。佐藤CPは「海外ロケで大きな事故がなかったことも大きかった。大事故が起きると、番組が終わってしまうケースもあります。今はテロや災害がいつ起きてもおかしくない状況ですので、運も味方してくれたのかな、と感じています」と語る。

 33年続いた理由として、草野は「単独スポンサーである日立の理解・協力」「独特な番組のコンセプト」「時代の流れに先んじる番組のスタンス」「出演者&スタッフのチームワークの良さ」と4つのポイントを指摘する。

 第2のポイントとして挙げた同番組のコンセプトは「歴史と遊ぶ」。佐藤CPによると、番組開始した当時には「日常生活の不思議なことを紹介する番組は、『なるほど!ザ・ワールド』(フジテレビ)や『世界まるごとHOWマッチ』(TBS)などがあって、我々は二番煎じという言われ方もした」という。しかし、「その中に歴史を扱うものはなかった。笑いだけではなく、勉強した気になれる部分が新鮮だったのでは」と視聴者には受け入れられた。草野も「『歴史と遊ぶ』は当時としては大変新しく、珍しいコンセプトでした。日本人は昔から歴史に関心がある人はたくさんいらっしゃいますが、記憶重視で年代と出来事を覚えなきゃいけないと思い込まされていた部分があります。そうではなくて、歴史と楽しく遊びながら人間の行動の多様性を学ぶということに発想を置いた番組はそれまでなかったですし、それがユニークでウケたんだと思います」と分析する。

 時流に先んじるため、飽きられない工夫も積み重ねてきた。「番組にカビが生えないように、常に社会の流れのほんの先に足を置くように努力しています。1歩先に行くと早すぎて視聴者が求めているものと違うものになることもあって、流れをきっちりととらえながら番組を作ることに重点を置いていたことが良かった」と草野。視聴形態の変化に合わせ、番組内のVTR時間の長短を調整。ゲストの人数も増減させてきた。

 番組の核であるクイズをやめることが検討されたこともあったといい、佐藤CPは「毎年、何が最適か検証しつつ番組を作っています。現段階ではクイズを続けることに需要があるのではないかと考えていますが、将来ずっと不変というわけではないと思います」と柔軟に番組の骨格を変える姿勢も長寿を支えてきた。少しずつ変化を加えてたどり着いた節目の1500回。収録を終えた草野が「ふしぎ発見、王道を歩もうとしているな。フレッシュでいい感じだな、という感じを受けました」と充実感をにじませたメモリアル回を見れば、長寿の理由を肌で実感できるはずだ。

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2019年1月11日のニュース