茂木健一郎氏「誰も悪くない」M−1暴言騒動で持論「人生の真剣勝負がぶつかった」

[ 2018年12月8日 11:40 ]

茂木健一郎氏
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 脳科学者の茂木健一郎氏(56)が8日、自身のブログを更新。2日の「M―1グランプリ2018」後に起こった暴言騒動について「全体として見ると、誰も悪くない」との持論を展開した。

 「M―1」決勝の審査を巡り、「とろサーモン」久保田かずのぶ(39)と「スーパーマラドーナ」の武智正剛(40)が審査員を務めた上沼恵美子(63)に暴言を発した問題。茂木氏は「個人の中傷はよくないと思いますし、女性を蔑視したり決めつけたりする言葉は絶対に使っていけないと思います。その意味で謝罪、撤回されたことは当然だと思います」と記した上で、M−1には「真剣勝負の場」という背景があるとし「人生をかけて、数千組の中からファイナリストに選ばれた方々の熱い闘い。その中で、あのような暴言が出てしまったのだと思います」と推察した。

 久保田は、上沼の採点が芸人の好き嫌いで決まっていると批判したが、茂木氏は脳科学者という自身の立場から「人間の脳においては、もちろん、客観的な基準やロジックに基づく思考もありますが、最初に起こるのは感情的な好き嫌いの反応で、基準やロジックはそれを後付けで説明するために用いられることが多い」と説明。それゆえ「審査員の方が、自分の好き嫌いで審査をすること自体は、悪いことではないと思います」との考えを記した。

 また、同時に「ただ、それを、好き嫌いというかたちでは表現しないで、客観性のある言葉でできるだけ説明しようとするのも、一つのやり方だと思います」とも。その上で「それを、自分の好みで審査すると明言するのは、一つの見識ではあるし、正直ではあるし、その審査員の方の人間性がよりストレートに出てしまうのでしょう。なにしろ、好き嫌いには、その方の人生のそれまでの全部が反映された、いわば感情の履歴書のようなものですから」とした。

 好き嫌いには「正解もないし、点数もない」と茂木氏。「そのようなストレートな人間性は、審査を受けたりコメントを聞く側にはより直接的に作用して感情をかき立てることもある」として「今回のような事態になることもあるのだと思います」と騒動の元について言及。最後は「全体として見ると、誰も悪くないし、ただ、それぞれの人生の真剣勝負がぶつかって、こんなかたちになってしまったのだと思います。笑いの真剣勝負。人生をかけた思い」と結んだ。

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2018年12月8日のニュース