樹木希林さん 体調の悪さ感じさせず…最後まで貫いた“神対応”

[ 2018年10月27日 09:00 ]

樹木希林さん
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 女優の樹木希林さんが9月15日に75歳で他界してから約1カ月半がたつ。週刊誌の見出しにはその名前がいまだに毎週のように躍っている。出版関係者は「“樹木希林さん”という文字がタイトルに入っていると売れ行きがいいとデータで出ているんです」と話す。内容は主に遺した言葉や生き様。樹木さんの卓越した表現力、達観した言動に触れたいと思う人が多いようだ。

 亡くなる4カ月前の今年5月。今思えば体調が相当悪かったと思える樹木さんだが、映画の初日舞台あいさつを終えた後、西城秀樹さん(享年63)の思い出を聞くと立ち止まり、15分も思いを語ってくれた。取材した記者によると、息が切れる様子もなく、表情も穏やかでまったく体調の悪さを感じさせなかったという。「こういう仕事だから取材には必ず応じる」として、報道陣を自宅に入れるなどして丁寧に対応してきた“神対応”は最後まで貫かれていた。

 その時、愛妻と3人の子供を残して旅立ったことに「無念だっただろう。本当に思いが残ってるだろう」と噛みしめるように語っていた。その言葉が、振り返れば、自身にも向けているように思えてならない。

 伝える側も樹木希林さんのエピソードはあふれるほど持っている。いつまでも語り継がれる希有な女優さんだったとあらためて思う。(鈴木 美香)

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2018年10月26日のニュース