「ER」出演女優、警官に射殺される 空気銃取り出し突然銃口向けた

[ 2018年9月2日 05:30 ]

警官に射殺された女優バネッサ・マルケスさん
Photo By ゲッティ=共同

 日本でも大ヒットした米医療ドラマシリーズ「ER 緊急救命室」で知られる女優バネッサ・マルケスさん(49)が8月30日、ロサンゼルス郊外の自宅アパートで警官に撃たれ、死亡した。警察側は拳銃のようなものを向けられたため撃ったとしているが、マルケスさんが持っていたのは空気銃だった。

 地元警察当局などによると、マルケスさんの健康状態を心配したアパートの家主から通報を受け、警官が自宅に急行。マルケスさんは発作を起こしており、精神的に不安定だったことから、警官や心理療法士らが医療機関の支援を受けるよう約1時間半にわたって説得。突然、銃を向けたため、警官が発砲したという。その後の調べで、マルケスさんが手にしていた銃は、プラスチック製の弾を使う空気銃だったことが判明。地元メディアは胴部分を撃たれ、搬送先の病院で死亡が確認されたとしている。

 当局はマルケスさんが精神衛生上の問題を抱えていた可能性があるとして、詳しい経緯を調べている。

 マルケスさんは「ER」に、1994年スタートの第1シーズンから第3シーズンまで看護師ウェンディ・ゴールドマン役で出演。スペイン語が話せる陽気な若手看護師という設定で、同ドラマの医師役が出世作となった俳優ジョージ・クルーニー(57)らと共演した。

 05年には「買い物依存症、うつ病に苦しんでいる」ことを告白し衝撃を与えた。昨年には「ER」撮影現場でのセクハラや人種差別について意見したことで、クルーニーによってドラマを降板させられたと主張し注目を集めた。

 ▽「ER 緊急救命室」(原題「ER」) 94年9月から09年4月まで米NBC系列で放送されたテレビドラマシリーズ。シーズン15までで全331話。シカゴの総合病院を舞台に、臨場感あふれる医療現場と医師や看護師たちの生活や人間関係をリアルに描いた。原作は「ジュラシック・パーク」で知られる作家マイケル・クライトン氏。スティーブン・スピルバーグ監督が設立した番組制作会社「アンブリン・エンターテインメント」が制作に参加。エミー賞、ゴールデン・グローブ賞など数々のアワードを受賞。日本でも96年から5年間にわたりNHKBS2で放送された。

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2018年9月2日のニュース