津川雅彦さん 俳優&監督“2つの顔”、兄・長門さんとはライバル関係

[ 2018年8月9日 07:55 ]

10年1月、「南田洋子さんを偲(しの)ぶ会」で会見する津川雅彦さん(左)と兄の長門裕之さん
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 4日に亡くなった俳優の津川雅彦さんは、両親、6歳違いの兄・長門裕之さん(11年死去、享年77)も俳優という芸能一家だ。名子役として活躍した兄に続いて5歳で映画デビューし、16歳の時に映画「狂った果実」に出演し一躍スターになった。当時は長門さんと共に日活に在籍。演技力を高く評価された兄をしのぐ人気を博し、兄弟は晩年に和解するまでライバル関係が長く続いた。

 二枚目俳優としてテレビでも活動したが、1969年にタレントのデヴィ夫人(78)との不倫騒動で仕事が激減。「どうせ嫌われているなら悪役をやろう」と72年にドラマ「必殺仕掛人」で悪役を演じたことで芸域を広げ、悪役や渋い脇役などで存在感を示す俳優に成長した。

 40代になり大人の色気が漂う艶のある演技を見せ、渡辺淳一氏の小説を映画化した「ひとひらの雪」(85年)などで「ラブシーンのうまい俳優」として話題になった。近年は重厚な役柄でいぶし銀の演技を見せていた。

 祖父は「日本映画の父」と呼ばれた牧野省三監督、叔父は早撮りの名人としてならしたマキノ雅弘監督という由緒ある“活動屋”の家系でもある。93年に雅弘監督が亡くなった際に「マキノ」姓を継承しメガホンを取る意思を固め、06年にマキノ雅彦名義で「寝ずの番」で監督デビュー。08年には雅弘監督の代表作「次郎長三国志」を「教えていただいたことを注ぎ込み集大成にしたい」とリメークし、09年の「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」と合わせて3作を監督した。

 弟の監督挑戦を喜び、監督作3本には長門さんも出演。長門さんが亡くなった時には「70年間で最近が最も仲が良かったのに」と兄を思い涙を流していた。

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2018年8月9日のニュース