井山裕太七冠の師匠・石井邦生九段「羽生先生と同時受賞する成長に感無量の思い」

[ 2018年1月5日 17:06 ]

正式に国民栄誉賞受賞が決まり、大阪市内での会見で握手を交わす井山裕太七冠(左)と師匠の石井邦生九段
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 囲碁の井山裕太七冠への国民栄誉賞授与が正式決定した5日、師匠の石井邦生九段(76)が井山とともに大阪市内で会見し、「囲碁界にとっても大変なサプライズ」と喜んだ。

 井山を6歳から指導。今回、同時受賞した将棋の羽生善治永世七冠が七大タイトル制覇を達成した96年当時、石井は「この子(井山)は羽生先生みたいになるんじゃないか、と日記に書いた」と回想。「羽生先生と同時受賞する成長に感無量の思い」と感激した。

 まな弟子の棋風を「陰で“むちゃくちゃ流”と言っている」と明かし、笑わせた。本人は先を読み、ちゃんとした理論的な根拠がある一手だが、師匠には井山の打つ手の意味が分からないからだという。「彼の実力からすれば既成の手段を選んで打てばもっと楽に勝てるのに、自分の手を打つ。リスクが伴い勇気がいるすごいことで、それが彼の成長につながっている」と高く評価。「これから先も、自分の打ちたい手を打つ勇気を続けて」と激励した。

 また、大きな賞に恐縮しきりの井山の横で「謙虚すぎて“まだ世界に劣る”と言っているが、彼は一番強いと思う」と語った。2度の七冠にも、「七冠は奇跡。七冠に返り咲く事は奇跡中の奇跡。ありえないと思っていた」と話し、「もっと自信を持って進んでいってもらいたい」と太鼓判。師匠の温かい言葉に、井山は深くうなずいていた。

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2018年1月5日のニュース