ジブリ鈴木敏夫P「魔女の宅急便」秘話明かす 飛行船シーン追加「袋叩きに遭いました」

[ 2018年1月5日 17:30 ]

「魔女の宅急便」の1場面(C)1989 角野栄子・Studio Ghibli・N
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 宮崎駿監督(77)の不朽のアニメ映画「魔女の宅急便」が5日、日本テレビ「金曜ロードSHOW!」(金曜後9・00)でノーカット放送される。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが秘話を明かした。

 角野栄子氏の同名児童文学を原作に、13歳になる年のある満月の夜、魔女の慣例により独り立ちへの旅に出るキキの成長を描く。

 1989年の劇場公開から来年30周年。鈴木プロデューサーは「宮崎駿監督も僕も『何周年記念』という言い方があまり好きではありません。ただ、宮崎駿と2人で「1本作った作品が10年もつといいよね。10年でいろんな人が見てくれたら、うしいよね』という話をしたことがあります。それこそ、20年、30年…皆さんに愛され続けているというのは本当にうれしいです」と喜び。

 愛され続ける理由については「なんでウケるんだろう…。これは『魔女の宅急便』に限らず、宮崎駿にしろ、高畑勲にしろ、ジブリの作品がなぜいろんな人に見てもらえるかっていうのはアナログゆえだと思います。残念ながら人間の歴史って『人間なのに人間じゃなくなる』“非人間化”してきていると思うんです。そういう時に、ジブリの作品の芯にあるものは人間的であるということだと思います。人間って そういうものが好きですよね。デジタルかアナログかっていったら、アナログが好きに決まっているんですよ」と分析した。

 宮崎監督は「魔女の宅急便」のテーマに悩んでいたという。「2人で吉祥寺の町や井の頭公園を歩いて、3時間ぐらい歩いて、疲れ切って、喫茶店に入ったんですね。席に着いた途端に宮崎駿が『この映画で何やったらいいの?』と聞いてきたので、苦し紛れに『正面から思春期ってやったことないですよね』と答えたんです。そしたら『それだ!』って」と振り返り宮崎駿という人は抽象的な概念で思考をしない人だから、すべてが具体化するんですね。(作中、主人公のキキが)パン屋へ行って次の日の朝起きてトイレに行くじゃないですか。あのシーンと、つまらなそうな顔をしながらパン屋でお留守番をする絵。宮崎駿がそういった形で思春期を表したんです。なんか分かる気がしました」と明かした。

 「飛行船のクライマックスシーン」は当初予定になく、追加された。「やっぱりお客さんは娯楽として映画を見に来るわけだから、サービスは必要ですよね。それで、宮崎駿と話してあのシーンを付け加えることになったんです。でも、メインのスタッフからは呼び出されて袋叩きに遭いました。『あのシーン(本来ラストシーンとされていた老婦人からサプライズのプレゼントにケーキをもらうシーン)で終わればいい映画なのに、なんでそんな提案したんだ!?』って。そこで『何でもいいから付け足してやれば、いいシーンになるわけじゃない。宮崎駿がやるんだよ。おもしろくなるでしょ!』って…これが説得の言葉だったんです。宮崎駿本人は『鈴木さん、そう思う?だったら付け足すよ」というあっさりした反応だったんですが」と苦笑い。

 「ただ、映画が封切られて、いろんな批評の対象になる頃、キネマ旬報の映画評に『この映画は素晴らしい!ただ、あのケーキのシーンで終わってれば名作になったのに』って書いている人がいて。鋭いヤツがいるな!と思いました。まぁ、大団円っていうやつですよね。付け足しでもいいから、最後は楽しく終わるっていう」と追加シーンの意図を説明している。

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