「陸王」阿川佐和子さん 池井戸氏も驚いたキャスティング 演技の基本は「ファ〜」

[ 2017年10月28日 08:30 ]

「陸王」それぞれの覚悟

ミシンの前でポーズを決める阿川佐和子
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 TBS日曜劇場「陸王」(後9・00)で驚きのキャスティングだったのが、連続ドラマに初のレギュラー出演となったエッセイストの阿川佐和子さん(63)だ。第1話では「本当に泣いた」という演技で視聴者の心をつかみ、「ヒロインのような存在」と話題になっている。

 「皆さんがこんな私を受け入れてくださるので、とにかく機嫌良くやるだけ」と心掛けている。阿川さん演じるあけみは、足袋業者「こはぜ屋」の女性従業員をまとめる元気なおばちゃん。既に現場では役柄と同様のムードメーカーのような存在で、キビキビ動き回る。

 撮影初日。最初のセリフは「よーし!間に合わせるぞ!」と従業員を鼓舞する言葉だった。監督の指示は、大きな声でやること。「とにかく声を出すんだと思ってセリフを言ったら、“もっと大きな声!”と言われたから、やりゃあいいんでしょっ!とか思って(笑い)」。その時に頭に浮かんだのが、ゴルフでミスショットした時の「ファ〜!」の言い方。「その要領でおなかから声を出したら、“良いですね”って。私のポイントはここにあるんだなと分かった」と感覚をつかんだ。

 突然の出演オファーにも驚いた。「TBSの目玉商品でしょ?でも、ダメダメ!と断る話ではなく、ちょっと魅力的な話で。演技ができる、できないよりも、“のぞいてみたい癖”が出ちゃった」。興味をそそられる仕事だった。雑誌連載など普段の仕事は山盛りだが、挑戦する覚悟を決めた。

 驚いたのは原作者の池井戸潤氏も同じだった。ゴルフ仲間の同氏とは「週刊文春」の連載で先日対談し、「今までドラマ化された自分の作品で、一番驚いたキャスティングが阿川さん」と言われた。「そりゃあ、心配ですよね。ヤバいと思ったんじゃないですか」。それでも第1話の試写会後、「映画を1本見たような感動でした」と感想をもらった。「リップサービスと思いつつ、一応、合格点かなと。肩の荷がちょっと下りました」と胸をなで下ろした。

 のぞいてみた連ドラの現場は「凄く楽しい」とキッパリ。女優・阿川佐和子の表情は充実感にあふれていた。

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2017年10月28日のニュース