ビリバン 4年越し45周年公演 “たって”の願いかなった復活祭

[ 2017年3月26日 05:30 ]

3年越しのデビュー45周年公演を行ったビリー・バンバンの菅原孝(右)。弟の進に支えられて立ち上がる。
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 菅原孝(72)と進(69)の兄弟デュオ「ビリー・バンバン」が25日、東京・EXシアター六本木で4年越しのデビュー45周年公演「兄と弟の復活祭」を行った。当初は2014年に開催を予定していたが、同年7月に孝が脳出血で緊急入院し活動を一時休止したため実現しなかった。3年遅れの晴れ舞台では、後遺症で左半身にまひが残る孝がファンの前で初めて車いすから立ち上がり、闘病中の人たちへエールを送った。

 会場が感動に包まれたのは、終盤に歌った最新曲「さよならの涙」の後だった。「兄貴立たなくていい?」という進に、一度は断った孝だったが、トークを続けるうちに自ら車いすを動かし、弟の肩を借りて「う〜し!」と息を吐き立ち上がった。拍手と歓声に「バカ野郎!」と照れつつ、うれしそうに笑った。

 「同じ病気の人も、もっと大変な人もいるけど、俺はちょっとだけ立てた。みんなにも頑張れと言いたい」。立って歌いたいという希望はかなわなかったものの、振り絞る言葉に約900人の観客は万雷の拍手を送った。

 デビュー48年での開催となった45周年公演。3年前の14年は、進が5月にステージ3の大腸がんの手術。孝も7月に実家で脳出血で倒れているところを母・キヨ子さんに発見された。懸命のリハビリを経て、約1年後にステージ復帰。ようやく実現した舞台に「また2人でできるのは奇跡」(進)、「できることが一番うれしい」(孝)と喜んだ。

 デビュー曲「白いブランコ」や「また君に恋してる」など23曲で美しい歌声を響かせた2人。この日は偶然にも、キヨ子さんが1年前に96歳で他界した命日。待っていてくれたファン、そして母のために声をからした。

 全ての曲目を終え、孝は「ありがとう!うれしいよ!また会おう。俺ももっと元気になってるから」と再会を約束。2年後の50周年イヤーへ2人は歩みを進めた。

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2017年3月26日のニュース