石川さゆり 涙の復興エール唱 デビュー日に“原点”でステージ

[ 2017年3月26日 05:30 ]

観客と熊本城をバックに笑顔の石川さゆり
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 昨年4月に発生した熊本地震の復興支援イベント「復興一周年 九州がっ祭」が25日、熊本市中心部で開幕し、同県出身の歌手石川さゆり(59)が特別ゲストで招待された。44年前のこの日がデビュー日で、地元のファンに「こぎゃんなったとよ」と方言であいさつ。地震で被災した熊本城を見て涙ぐみ「元気な熊本に戻ってほしい」と願った。

 熊本城公園の特設ステージで勇ましい祭りが次々と行われる中、着物姿の地元が生んだスターが登場すると一層大きな拍手が湧き上がった。元気よく「ただいま」とあいさつする石川に、観客2000人が「おかえり」と歓迎した。

 飽田(あきた)町(現・熊本市南区)に生まれ、10歳まで過ごした。「お花見によく来た」と懐かしそうに振り返り、「デビューした時は小さかった石川さゆりが、こぎゃん(大きく)なったとよ」と熊本弁を交えてあいさつ。ヒット曲「津軽海峡・冬景色」や新曲「百年の抱擁」など5曲を披露した。

 デビューは1973年3月25日。「先月、スタッフに“45周年のスタートを熊本で切れたらいいな”と唐突に言ったら、偶然にもデビューの日と重なったお祭りにお招きいただいた」と笑顔で説明。「体動かすことはよかことよ」と観客に一緒に踊るよう呼びかけるなど、元気いっぱいのステージを展開したが、熊本城を眺めると涙があふれた。

 「熊本城があんなに姿を変えてしまって。お城に向かって歌っていると胸がいっぱいになります」。城は20年後の完全再建を目指し来月から復旧作業が始まる。かつて城の中を駆け回った元おてんば娘は「あの美しく立派な城に、元気な熊本に戻ってほしい」と願った。

 地震で親戚や友人宅が被災。復興に力を合わせようという「九州がっ祭」に、石川は「みんなで楽しい日を過ごすことはいいこと。笑うと元気になる」としみじみ。この日は芸能界の仲間とともに出品したオークションの収益約2100万円の目録を大西一史熊本市長に手渡した。

 「人生っていろんな試練がある。私はみなさんに会いながら歌で元気づけていきたい」と抱負。デビュー45周年イヤーに向け「おかえりという言葉に元気をもらった。その分、東京からエールとエネルギーを送りたい」と力を込めた。

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2017年3月26日のニュース