石井ふく子さん 小林正彦さんは「芸能プロとテレビ局の関係を変えた人」

[ 2016年11月4日 09:08 ]

死去したことがわかった小林正彦氏

 故石原裕次郎さんを支えた石原プロモーションの元専務、小林正彦さんが10月30日に虚血性心不全で死去していたと判明してから一夜明けた3日、小林さんと親交の深かった石井ふく子プロデューサー(90)が盟友の死を悼んだ。

 小林さんとは40年来の付き合いで「芸能プロとテレビ局の関係を変えた人でした。バイタリティーにあふれた人だったので、まだ信じられない」と落胆。石原プロ元社長で俳優渡哲也(74)主演のスペシャルドラマ「結婚」(09年11月)が最後の仕事となった。

 小林さんの葬儀は親族だけで営まれ、石原プロには生前の小林さんの「すでに退いた身。そっとしておいてほしい」との意向が伝えられた。石原プロは、所属俳優のコメントは発表しない方針。

 裕次郎さんの妻で、石原プロの石原まき子代表取締役会長(83)は、夫の長年のパートナーの思いを察し「お気持ちを尊重してあげてください」と周囲に伝えたという。

 小林さんは、1970年代、自主映画製作で経営危機に陥った石原プロを立て直し、その手腕は高く評価されている。テレビ番組や映画の画面内に、さりげなく企業名の入った看板を置くことで、1社あたり数百万円のスポンサー料を得た。91年、北海道小樽市に20億円を投じて開館した「石原裕次郎記念館」は、初年度に30億円を稼ぎ出す同社のドル箱となった。

 「銭ゲバ」を自称し、石原プロのためにはなりふり構わなかった。映画でもCMでも「石原プロの仕事は、ゼロか高いか。中途半端な金額はしない」が口グセ。87年に亡くなった裕次郎さんと石原プロにささげた人生だった。

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2016年11月4日のニュース