アンジェイ・ワイダ監督死去 81年カンヌでパルムドール受賞

[ 2016年10月11日 05:30 ]

死去したアンジェイ・ワイダ監督=3月(AP)
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 「灰とダイヤモンド」や「大理石の男」など激動のポーランド現代史を描いた作品で知られる同国の映画監督アンジェイ・ワイダ氏が9日、死去した。90歳。共同電などによると、入院中だったという。

 1926年生まれ。国立映画大学を卒業し映画界入り。50年代の「世代」「地下水道」「灰とダイヤモンド」の「抵抗3部作」は、反ナチス抵抗運動を題材としながら、共産主義体制への抵抗を暗示した。1960年代から80代年初頭にかけて精力的に作品を撮り続け「白樺の林」でモスクワ国際映画祭監督賞、「約束の土地」で同映画祭金賞を受賞した。

 81年、共産主義体制下で自由化を求めた自主管理労組「連帯」を積極的に支持し「鉄の男」で同労組のワレサ議長(当時)に自分自身を演じさせて、同年のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞した。

 日本文化への関心も深く、94年、ポーランドに多数の浮世絵などを収めた「日本美術・技術センター」を創設。89年には、坂東玉三郎を主役に据え、ドストエフスキーの小説「白痴」を自らの手で劇化した「ナスターシャ」を日本で演出した。

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2016年10月11日のニュース