吉永小百合“息子”二宮の手紙に涙ぐむ「感激 胸いっぱい」

[ 2015年12月12日 12:49 ]

映画「母と暮せば」初日舞台あいさつで“息子”からの感謝の手紙を送られ、感激する吉永小百合

 吉永小百合(70)と「嵐」の二宮和也(32)が母子役で共演した映画「母と暮せば」(監督山田洋次)が12日、封切り初日を迎え、東京・丸の内ピカデリーで初日舞台あいさつが行われた。

 終戦から3年後の長崎を舞台に、原爆で犠牲になった医大生の息子(二宮)が生き残った母親(吉永)のもとに亡霊となって現れる山田監督初のファンタジー作品。初日を迎え、山田洋次監督(84)は「ずっと待ち望んでいた日が来ました。見終わった人たちの前に立つということは法廷で判決を待つ被告のような気持ち。胸がドキドキします」と緊張の面持ち。映画のラストシーンで着用していたハト柄の帯を身につけて登壇した吉永も「山田丸という大きな船に乗って、力を合わせて長崎を出港し、きょう、東京に上陸しました。心臓がドキドキする気持ちでここに立っています」とあいさつした。

 一番好きなシーンを問われた二宮は自身が歌を披露するシーンを挙げ、「すごく監督とのやり取りがあるシーンだった。監督の前で何度も何度も歌って“もうちょっと優しく”“もうちょっと伸びやかに”“キー違くないか?”って。それは浩二が現れていているシーンで好きですね」としみじみ。戦争を知らない世代として演じて難しかったことを問われた二宮は「う…」とやや沈黙。「だいぶ大雑把に言うと、知らないっていうことですね。それを素直に言わないといけないことが一番大変だった。わからないものはわからないと言わないといけないというのがだいぶ勇気がいりましたね」と話した。

 吉永は“亡霊”となった息子相手に演技しなければいけないことに「会話は本当に普通だったんですけど、触ってはいけないというのが難しかったですね。どうしても手をかけてしまうんです」。手をかけると消えてしまうという切ないシチュエーションもあったが、二宮も「私もできれば消えたくはなかったですけどね」と笑わせつつ「お兄ちゃんが帰ってくるシーンでは唯一触れることができるので、生きている感じがしましたね。消えないんだって。うまく距離感を作っていただけた」。

 昨年12月に制作発表が行われ、主役として1年間引っ張ってきた母・吉永に息子・二宮からスタッフ、キャストを代表して感謝の手紙を読み上げるサプライズ。二宮から「小百合さんは誰よりも気遣いの人でした」「小百合さんとの一緒の船にとって本当に幸せな時間を過ごしました。先頭を走り続ける小百合さんはとても格好良かったです」と手紙を読み上げると、吉永は「嬉しいです。感激しております。皆さんのおかげで、何とかやり通せた。胸がいっぱいです」と目を潤ませた。

 舞台あいさつには、山田監督、吉永、二宮のほか、黒木華(25)、浅野忠信(41)も登壇した。

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