凰稀かなめ「最後のわがまま」異例の真っ白軍服でお別れ

[ 2014年12月16日 06:05 ]

サヨナラショーで白色の軍服姿で手を振る凰稀かなめ

 来年2月の東京公演千秋楽で宝塚を退団する宙組トップスター、凰稀かなめのサヨナラ公演「白夜の誓い」が15日、兵庫・宝塚大劇場で千秋楽を迎え約6000人ものファンが劇場周辺の沿道に詰めかけた。

 ファンのド肝を抜いたのは終演間際、最後の大階段。凰稀が「宝塚人生、軍服がとても多かったので」と真っ白の軍服に白い手袋をつけて登場すると、異例のいでたちに超満員の客席からはどよめきが起こり、凰稀も「よし!」と内心ガッツポーズでさっそうと下り立った。

 近年ではタカラジェンヌの正装であるはかま姿や男役の象徴、黒えんびを選ぶトップスターが多い中、凰稀が選んだのは13年夏に演じた「うたかたの恋」で着た軍服。一度は劇団も渋る中「最後に私のわがままを通してもらいました」と説得した。

 劇団によると、昔は愛着ある演目の衣装で最後の大階段を下りたトップスターもいたが、近年では異例。少なくとも平成に入ってからは初とあって、ファンの心には深く凰稀の最後の姿が刻まれた。

 さらに、ファンが詰めかけたサヨナラパレードにはカクテル光線、スモークが交錯する中、緑のはかま姿で登場。約8メートル、叶姉妹もびっくりのド派手な白のリムジンに乗り込み、最後はサンルーフから両手でファンに手を振ってお別れ。最後の瞬間まで“自分流”を貫いた。

 ◆凰稀 かなめ(おうき・かなめ)9月4日、川崎市生まれ。私立順心女子学園中を経て00年初舞台。雪組に配属となり05年「霧のミラノ」で新人公演初主役。翌年バウホール初主役。09年星組に組替えとなり、11年には宙組に異動。12年「銀河英雄伝説」でトップスターに。1メートル73。愛称「りか」。

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