ノーベル賞2氏に文化勲章 文楽の竹本氏も 功労者にちばてつや氏ら

[ 2014年10月24日 11:40 ]

 政府は24日、2014年度の文化勲章を、ノーベル物理学賞の受賞が決まった半導体工学の中村修二(60)と電子・電気材料工学の天野浩(54)、人形浄瑠璃文楽の竹本住大夫(89)、小説家の河野多恵子(88)、分子組織化学の国武豊喜(78)、経済理論・経済学説史の根岸隆(81)、洋画家の野見山暁治(93)の7氏に贈ることを決めた。

 文化功労者には漫画家のちばてつや(75)、宇宙物理学・宇宙論の佐藤勝彦(69)、スポーツの樋口久子(69)の3氏ら17人を選んだ。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京都内のホテルで開かれる。

 文化功労者はほかに、指揮者の秋山和慶(73)、小説家の黒井千次(82)、インド学・仏教学の川崎信定(78)、洋画家の絹谷幸二(71)、労働経済学の小池和男(82)、比較経済史・歴史人口学の斎藤修(68)、邦楽の常磐津英寿(87)、酵素学の田中啓二(65)、能楽の宝生閑(80)、生化学の山川民夫(93)、有機金属化学の山本明夫(84)、作曲家の湯浅譲二(85)の各氏。中村、天野両氏も文化勲章と同時に選ばれた。

 中村、天野両氏は青色発光ダイオード(LED)の開発に成功、製品化に大きく貢献した。ノーベル物理学賞を共同受賞する赤崎勇名城大終身教授(85)は11年度に文化勲章を受章している。

 竹本氏は人形浄瑠璃文楽の発展と普及に尽力し、この分野では初選出。河野氏は「蟹」で芥川賞を受賞するなどし、文壇にその地位を確立した。

 国武氏は新たな分子組織材料の形成手法の開拓に取り組んだ。根岸氏は経済学説史の研究などで先駆的な業績を挙げた。野見山氏は抽象絵画の制作のほか、文筆業でも優れた作品を残した。

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