渡鬼四姉妹、宇津井さんとの別れ惜しむ「お父さん、ありがとう」

[ 2014年5月1日 17:07 ]

宇津井健さん「お別れの会」に参列し、取材に応じる「渡る世間を鬼ばかり」で共演した(左から)宇野なおみ、藤田朋子、長山藍子、中田喜子、野村真美

 3月14日に慢性呼吸不全のために亡くなった俳優の宇津井健さん(享年82)の「お別れの会」が1日、東京都内のホテルで開かれ、約1000人が“理想の父親”として親しまれた故人に最後の別れを告げた。

 2006年からTBSの人気ドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」で5人姉妹の父親・岡倉大吉役で出演。最後の出演作も、2013年に放送されたスペシャルとなった。

 長女役の長山藍子(72)は「身体に、健康に気を遣ってらっしゃる方だったので、まさかって感じがしました」。三女役の中田喜子(60)も「突然の訃報で私たちも本当にびっくりしました」と驚きを口にした。

 最後の撮影は、すでに闘病中で、ボンベを背負ってのものだったという。共演シーンが多かったという五女役の藤田朋子(49)は「本番だけチューブを外してやっていたんですけど、チューブのこと以外は元気で、逆に私たちのほうが支えられて、お父さんはいつものお父さんでした。とてもオシャレでボンベを持って歩くのは恥ずかしいからって、ボンベが入るビオラのケースを背負って、まるで楽器を背負っているかのようでした」と当時の撮影を振り返った。「病気と付き合っていくということで、まだまだお仕事をしていく気持ちがおありになったので、私たちもそれが最後の仕事になるとは思わなかった。急に悪くなったという感じですね。お父さんはきっと心残りだったと思う。でも、かっこいいままでした」と声を詰まらせた。

 宇津井さんは内縁だった妻と亡くなる日に入籍を済ませた。そんな宇津井さんのことを、四女役の野村真美(48)は「その決断がお父さんらしい。理想の男性」と話した。

 姉妹も奥さんとの面識があったといい、「舞台で名古屋に行った際、(お店に)伺っていたので存じ上げていたんです。宇津井さんもご一緒に行った時もありました。とてもステキな方でした」(長山)。ただ、再婚については「思って見なかった」(長山)「全然存じませんでした」(中田)といいつつも、「お父さんって本当にそう思ったことはなさる方。自分で決められたことだと思う」(長山)と父の決断に理解を示し、「最後、幸せになられたのなら何より」(藤田)と幸せを喜んだ。

 長山は「最初から最後までひたむきに生きてらっしゃった。魂がそのまま美しい方だった。しみじみと感じています。寂しいというのはもちろんですけど、やっぱり宇津井さんは宇津井さんだったという思いで、誇らしい気持ち。お父さん、ありがとう」。中田も「宇津井さんはいつも直立不動でお疲れ様って頭を下げてくださった。宇津井健さん、お疲れ様でした。安らかにお休みください」と故人にメッセージを送った。

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2014年5月1日のニュース