勘三郎さん墓に絶えることない花と線香 不在感じさせぬ不思議さ

[ 2014年5月1日 11:30 ]

勘九郎、七之助兄弟 7月にNY公演

 東京都台東区の西徳寺にある勘三郎さんのお墓は、今でも花と線香が絶えることはない。

 「不思議ですね。いなくなってしまったのは分かってるんですけど、そういう気持ちにならないんですよ。父の芝居のビデオは見られますが、ドキュメンタリーはまだダメですね」と勘九郎。

 先日、勘三郎さんがこの世を去ってから初めて、好江夫人、勘九郎親子、七之助らで米国アリゾナの別荘を訪れた。ゴルフ好きの十八代目が1年に1度休暇がとれると、必ず滞在したグリーンに囲まれた瀟洒(しょうしゃ)なセカンドハウス。生前、勘三郎さんが「休みの時ぐらいは女房孝行しないとね。一緒に回ると楽しいんだよ」と話していた、家族の思い出の場所だ。

 久々に玄関のドアを開けると、家の中は以前と何も変わらず、愛用のゴルフクラブや勘三郎さんが書いた買い物リストのメモまでがそのまま置かれていた。勘九郎は「部屋には父の匂いが残ってました。息子の七緒八も連れていったので喜んでくれたと思います」と話した。

 一方、七之助が昨年5月18日、自宅の仏壇に「お父さん、僕、きょうで30歳になったんです。おめでとうって言ってください」と手を合わせると、その夜、勘三郎さんが夢に現れた。歌舞伎座の花道に「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の仁木弾正の姿で登場すると、客席にいた七之助に向かって「おめでとうござりまする」と祝福してくれたという。「やっぱりうれしかったです。父は約束を守る人でしたから」と話した。

続きを表示

2014年5月1日のニュース