文楽協会への補助金減額へ 入場者が基準届かず

[ 2014年1月26日 21:33 ]

初春公演の千秋楽を迎えた大阪・国立文楽劇場で、演者が手にする人形に触れる観客

 大阪市から文楽協会への補助金が約700万円、減額される見通しとなった。国立文楽劇場(大阪市)で2013年度最後となる初春公演が26日、千秋楽を迎えたが、年間入場者数が満額支給の基準に届かなかった。

 橋下徹市長が打ち出した補助金見直しの結果、13年度から入場者数に連動して補助額が決まる新方式が導入されていた。年間10万5千人以上の集客が、3900万円の補助金を満額支給する条件だったが、同劇場によると入場者数は約10万1千人だった。12年度と比べ約2600人減った。

 初春公演の終盤には、人形を手にした演者が出口で観客を見送るファンサービスなどを実施。初春公演としては過去最高の入場者を記録した。文楽協会の三田進一事務局長は「補助金のカットを防ごうというお客さまの思いは涙が出るほどうれしい」と話した。

 減額されるのは、演者のマネジメントや地方公演の企画などを担う文楽協会の運営費。協会側は既に、退職した職員の補充を見送るなど、運営費の削減を始めている。

 協会への補助金は、文楽劇場での定期公演の有料入場者数が基準に満たない場合、(1)9万人以下ならば1千万円に減額(2)9万人を超えれば人数に応じて減額―される。

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2014年1月26日のニュース