あまロス?「あまちゃん」最終回迎え「寂しくて胸が痛い」

[ 2013年9月29日 06:00 ]

「あまちゃん」最終回の一場面

 ブームを巻き起こしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が28日の放送でフィナーレを迎えた。ロケ地の岩手県久慈市ではパブリックビューイングが行われ、約120人が参加。同市は全国的に注目されて“あまノミクス”に沸き「東日本大震災からの復興の後押しになった」と涙を流す人も。一方、終了を惜しみ「胸が痛い」と“あまちゃんロス症候群”(あまロス)を訴える声が相次いだ。

 久慈市の「道の駅くじやませ土風館」で開かれた「最終回をみんなで見る会」には県内外からファンが集まり、立ち見が出る盛況。最終回は震災から約1年4カ月後の設定で、能年玲奈(20)演じるヒロインの天野アキらが新たな一歩を踏み出した元気な姿で番組が終わると、会場は大きな拍手で包まれた。

 同市の農業神田フジエさん(75)は「震災に負けない久慈の姿を描いてくれてうれしかった。寂しくて胸が痛い。続編が見たい」とハンカチで目頭を押さえた。50年以上海女を続けている大下典さん(72)はあまちゃんを見てから海に出て、ウニの素潜り漁を実演する日々だったといい、「あっという間に終わっちゃった。素潜りをする元気になっていたのに」と残念がった。

 「あまロス」の症状を訴える人は全国におり、東京都内の会社員男性(38)は「これからは何を楽しみにすればいいのか分からない。ぽっかりと穴があいたよう」とがっくり。「朝ドラにはまったのは初めてだけどすっかり習慣になってしまったので、録画したものを毎日1話ずつ見ます」と話した。都内の会社員大竹信二さん(41)は「続きがあるような終わり方だったので、それに期待して落ち込まないようにしたい」と続編を待望。札幌市の会社員女性(35)は「私がはまってから両親もはまり、あまちゃんのおかげで家族の会話が増えた。DVDを買ってみんなで見ます」と話した。

 ▽「あまちゃん」 2013年度前期のNHK連続テレビ小説。東京出身のアキ(能年玲奈)が母(小泉今日子)の故郷である岩手・北三陸で海女修業をするうち、ご当地アイドルとして周囲を元気づけていく物語。宮本信子ら脇役陣の熱演や、宮藤官九郎が手がけた「小ネタ」満載の脚本も話題になった。全156回。

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