80歳永六輔 闘病車椅子生活で7年ぶり「遠くへ行きたい」出演

[ 2013年6月24日 06:00 ]

孫の永育乃介さん(右)と京都市内をめぐる永六輔

 放送作家でタレントの永六輔(80)が、来月21日放送の日本テレビ系「遠くへ行きたい」(日曜前5・30)に7年ぶりに登場する。車椅子生活を送っており「多くの人に車椅子でも旅を楽しめることを分かってもらいたい」と出演を決意。「最後の旅番組出演になるかも」との思いから、会いたい人、好きな景色が多い京都を訪れた。

 「遠くへ…」は、1970年10月放送開始の長寿番組。著名人が「旅人」として日本各地を訪ね、自らの声でリポートする。永は、初回から半年間「旅人」を担当し、その後も定期的に出演。今回は、06年12月以来7年ぶりの登場だ。

 現在、パーキンソン病、前立腺がんと闘病中。車椅子での移動しかできず「もう旅番組は無理」と考えていた。だが、番組プロデューサーの「車椅子の人でしか見えないものもあるのでは」という言葉で目が覚めたといい「多くの車椅子の人のためにも(番組に)出なきゃと思った」と出演理由を明かした。

 旅先に選んだのは、知人も多く、大好きな京都。これまでも何度も訪れたことはあるが、今回は、孫の育之介さん(19)に車椅子を押してもらいながらの2泊3日。以前より、ゆっくりと、そして低い目線で移動し「子供に戻ったような感じですべて新鮮だった」と振り返った。

 人に支えてもらわなければ歩けないが、頭と口はまだまだ元気だ。40年以上の親交があり、京都市内で僧侶をしている瀬戸内寂聴さん(91)主宰の「法話の会」に飛び入り参加。「一昨年に乗っていたタクシーが事故を起こし入院したけど、その後、みるみる元気になったんだ。壊れたラジオをひっぱたくと、しゃべるようになるでしょ。あれと一緒」と言うなど、約200人の聴衆を何度も笑わせた。

 40年以上、番組を通じて日本各地の“今”を伝えてきた。旅を「人生のようなもの」と位置づけ、視聴者には「この国がもうちょっといい国になるといいなって思いながら見てほしい。それでいて楽しく見てほしい」とメッセージを送った。

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