元ボクシング日本王者で俳優 大和武士容疑者を覚せい剤使用で逮捕

[ 2013年5月14日 06:00 ]

ボクサー時代の大和武士容疑者=1990年8月20日

 警視庁渋谷署は13日までに、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで、俳優大和武士=本名江口義光=容疑者(47)を逮捕した。

 大和容疑者は「和製タイソン」の異名を取った元ボクシングミドル級の日本チャンピオン。少年院あがりの経歴でも注目され、89年に現役選手として映画「どついたるねん」に出演した。92年に引退し、俳優に専念。94年には映画「トカレフ」で主演した。その後は任侠映画やVシネマを中心に用心棒役などで活動した。

 逮捕容疑は、4月下旬から5月10日までに、覚せい剤を使用した疑い。渋谷署によると、「身に覚えがない」と容疑を否認している。

 渋谷署によると10日、若者でにぎわう渋谷の繁華街を、役柄そのままのいでたちでかっ歩していたところ、地域指導課のパトカーが発見し、職務質問した。同署は「奇行をしていたわけではなかったと聞いている」とした上で「まだ明るい時間帯に、一見すると暴力団風の男がおり不審と判断したようだ」と説明。その後の尿検査で覚せい剤の陽性反応が出た。

 大和容疑者は容疑を否認したあと、「疲れて頭の整理ができないので、これ以上のことは後日にしてください」などと話した。雑談には応じるものの、取り調べには応じていないという。

 大和容疑者は08年8月、客として訪れた東京都目黒区の寿司店で、店主に包丁を突きつけ殴るなどしたとして、殺人未遂などの現行犯で逮捕されている。同年12月には懲役1年6月、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されていた。

 この事件の初公判後、報道陣に「罪を償い、今後も芸能活動を続けたい」と再起を誓っていた。

 ◆大和 武士(やまと・たけし)1965年(昭40)8月7日、岡山県生まれ。少年院で読んだ沢木耕太郎氏の著書「一瞬の夏」に影響されて85年上京、ワタナベボクシングジム入門。1メートル85から繰り出すパンチで86年に全日本ミドル級新人王、88年に日本ミドル級王者となる。通算成績は10勝(5KO)7敗2分け。俳優転身後は99年のTBS「ウルトラマンガイア」、00年の映画「新・仁義なき戦い」などに出演。

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