世界のオザワと村上春樹氏がコラボCD 対談で聴いたクラシック3枚組

[ 2013年4月10日 06:54 ]

小澤征爾氏と村上春樹氏による異色CDのジャケット

 12日に3年ぶりの書き下ろし小説が発売されることで全世界から注目を集める作家の村上春樹氏と世界的指揮者・小澤征爾氏がコラボした異色のCDがリリースされる。これは一昨年11月に発刊された両氏の対談本「小澤征爾さんと、音楽について話をする」(新潮社)の中で2人が聴いたクラシック音楽をCD3枚に収めたもの。新小説とともに話題を呼びそうだ。

 文学と音楽の世界的巨匠である村上、小澤両氏による対談本「小澤征爾さんと、音楽について話をする」は2011年11月に発売され、12万部を売り上げたベストセラー。対談は小澤氏が食道がんの手術を受けた後の10年11月から東日本大震災を挟んで11年7月にかけて6回にわたって行われた。

 2人は村上氏の膨大なLPレコードのコレクションの中から、小澤氏の思い出に残る名曲を聴きながら話を展開。小澤氏自身が指揮をしたレコードでは、村上氏の巧みな質問を受け小澤氏が「そういえば、俺これまで、こういう話をきちんとしたことなかったねえ」と当時の心境を初めて明かすなど、クラシック音楽ファン以外からも反響を巻き起こした。

 読者から「対談の中で、2人が聴き、語り合った音楽を聴いてみたい」という要望や問い合わせが発行元に多数寄せられたことから、ユニバーサル・ミュージックが対談の根幹に関わるクラシック音楽の一部を集めCD3枚に収めて24日にリリースすることになったもの。このためCDジャケットも本の表紙と同じ装丁になっている。

 チョイスされた録音の中にはピアニストのグレン・グールドと20世紀の巨匠指揮者レナード・バーンスタインの共演によるブラームスのピアノ協奏曲第1番などユニバーサル以外の音源も含まれている。

 対談の内容にシンクロさせて、同じ曲でも小澤氏がボストン響の音楽監督を務めていた70年代に録音した音源と食道がん克服後の10年に行った公演のライブ録音の両方を収め“違い”を比較できるなど、対談本を読みながらこのCDを聴けば、2人の話がより身近に感じられる内容になっている。

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