福島の宿泊施設「八重の桜」効果で客足回復傾向「諦めないでよかった」

[ 2013年3月12日 08:23 ]

 福島第1原発事故の風評被害に悩まされていた福島県内の旅館、ホテルに客足が戻ってきた。1月から放送されているNHK大河ドラマ「八重の桜」の影響も大きく、「客足が震災前の7~8割に回復してきた」との声が多い。桜の季節になれば、より多くの観光客が望めるだけに、震災から2年にして、ようやく県の宿泊業界に春が訪れようとしている。

 1月に発表された「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で福島県勢としては、「八幡屋」(石川町)が16位、「匠のこころ吉川屋」(福島市)が18位、「ホテル華の湯」(郡山市)が24位と上位に選ばれた。八幡屋の女将、渡辺和子さん(62)は「一時は100%倒産すると思った。諦めないでよかった」と振り返る。

 八幡屋は原発事故後にキャンセルが続出。「0に近い客数」(渡辺さん)がしばらく続いた。昨年も半分程度の回復をみせた程度。震災前に約130人いた従業員は約80人まで減らし、給与カットもして何とか食いつないできた。

 客足が8割程度まで戻ったという吉川屋の女将、畠ひで子さん(64)は「八重の桜の効果が大きい」と説明。「八重の桜」の舞台は会津若松だが、県全体に好影響をもたらしている。県内には帰還困難や居住制限がかかっている区域も多くいまだ深刻な風評被害から立ち直れない宿泊業も多いが“八重効果”が大きいことは間違いない。

 一方、共通して抱える課題が従業員不足だ。「募集しても働き手が来ない」と渡辺さん。華の湯の菅野豊臣取締役常務(39)は「県外に出た人が戻ってこない上、人材が景気のいい建築業などに流れているのではないか」と分析した。

 JTBなど旅行各社は「八重の桜」をテーマにしたツアーを企画中。観光客の急増が見込まれる桜の季節を目前に控えているだけに、従業員確保が喫緊の課題だ。

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