大竹しのぶ 最期みとる「演劇界は彼をなくしてどうなっていくんだろう」

[ 2012年12月6日 06:00 ]

集まった報道陣に気丈に対応する大竹しのぶ

中村勘三郎さん死去

 中村勘三郎さんの突然の訃報に、芸能界やスポーツ界も悲しみに包まれた。77年の舞台共演から親交があり、最期をみとった女優大竹しのぶ(55)は5日、主演舞台の製作発表で「彼の穴はだれにも埋められない」とショックを隠さず、夜には再び別れを告げに自宅を訪れた。

 大竹は都内で行われた主演舞台「ピアフ」(来年1月16日~2月13日、東京・日比谷シアタークリエ)の製作発表で、勘三郎さんの思い出を語った。

 都内の病院で最期をみとっており、憔悴(しょうすい)し切った表情。目は赤く腫れ、視線もうつろで「冗談みたいで信じられない」とショックを隠さなかった。親族から「状況的に大変なので」と知らされ、3日の午前中から病室を訪れていた。

 闘病中から何度も見舞っていたといい、最期に交わした言葉を聞かれると「しゃべれる状況じゃなかったので」と沈痛な表情。亡くなる数週間前に「ふざけて“投げキス”をし合った。私がピストルを撃つマネをしたら、死んだふりをしていた」と身ぶり手ぶりでのやりとりを明かした。

 20歳だった77年、恋人役で共演した舞台「若きハイデルベルヒ」を思い出し「(自分を)好きですと普通に言ってた」と懐かしそうに笑う一幕も。王子役の勘三郎さんは、町娘役の大竹に「恋をしちゃった」とその後明かしており、大竹の妹らをまじえ、遊園地デートなどをした。

 くしくも当時、勘三郎さんから「ピアフ」の関連書籍を薦められたといい「“借りパク”しちゃった。まだ返していないとは思ってたけど」と無念の表情。「人間的にあんなチャーミングな人はいない。彼のいない穴はだれにも埋められない。演劇界は、彼をなくしてどうなっていくんだろう」と悲嘆に暮れた。

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2012年12月6日のニュース