戸賀崎支配人「250人を満足させる力なければドームもダメ」

[ 2012年10月16日 07:00 ]

劇場支配人の戸賀崎智信氏

 念願の東京ドーム公演を成功させ、「絶対的エース」前田敦子(21)も卒業したAKB48はこれからどこへ向かうのか…。第2幕の全体像はまだ明らかになっていないが、その底流にあるのは「原点回帰」だ。

 劇場支配人の戸賀崎智信氏(38)は「基本は劇場公演。そこが熱くなければAKBではない」と話す。

 AKBのコンセプトは「会いに行けるアイドル」。ステージと客席の距離が近い、定員250人の劇場をホームグラウンドとして着実に人気を獲得してきた。

 しかし、ブームになってからは他の仕事が増加したため、中心メンバーが定期的に劇場公演に参加するのが難しくなった。さらに今年は東京ドーム公演が一大目標としてあったことから物理的にも精神的にも劇場公演との両立が一層困難になった。

 「劇場公演がだれてきていて、私の耳にもファンの不満の声が届くようになった。もともと、大きな会場からではなく小さな劇場から発信するのがAKBだから、その核の部分が崩れたらダメになる。劇場の250人を満足させる力がなければドームの観客も満足させられない」と戸賀崎氏は指摘する。

 既に劇場公演強化への手は打たれた。東京ドーム公演の際に発表されたチーム編成替え。これまでの4チームを3チームに減らすことで、劇場公演に出られないメンバーを生み、自然と競争原理が働くようにする。

 「今回の組閣で、劇場公演ががらりと変わると思う」と戸賀崎氏はその効果に期待する。

 もう一つの活性化策が握手会の見直しだ。握手会も劇場公演と同じように「会いに行けるアイドル」の具現化の大切な要素。8日に岩手県滝沢村で行われた握手会では「握手会の女王」とも言われる柏木由紀(21)と「次世代のエース候補」の島崎遥香(18)が同じレーンに入ってファンと握手する光景が見られた。

 戸賀崎氏は「実験的に“師弟関係”をつくってみた。ファンと丁寧に握手していけば1年後の結果が違ってくる。島崎には柏木を見習ってほしい」と明かす。

 劇場公演と握手会の充実。戸賀崎氏は「AKBの第2幕に期待してください」と語り、原点からの再スタートを強調した。

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