ツンデレまゆゆ 幼なじみに恋心抱くコに「なりきりました」

[ 2012年10月16日 07:00 ]

「アフレコは結構こだわってできました」と映画「ねらわれた学園」をアピールする渡辺麻友

 渡辺麻友(18)が主演声優を務めるアニメ映画「ねらわれた学園」(監督中村亮介)が11月10日から全国で公開される。ひそかに恋心を抱く幼なじみ「ケンジ」に対してなかなか素直になれない役どころ。作品でしか見られないまゆゆのツンデレぶりは全国のファンの心をくすぐりそうだ。

 こんな場面が映画の冒頭に登場する。

 クラスのマドンナに見とれるケンジをナツキ(渡辺)がちゃかす。2人はもみ合いになり、バランスを崩して転倒。チャック全開のケンジに押し倒された形となったナツキがケンジに向かって「ヘンタイ!!」ときつ~い一言。さらに「チャックあき男」などと強気なセリフを続ける。

 記者の名前も「安田健二(ケンジ)」。映画の趣旨から外れた質問であることは重々承知の上であえて聞いた。

 「この場面を見たら、世の中のケンジくんたちはドキドキしちゃうんじゃないですか!?」

 すると、まゆゆは間髪入れずに答えを返してきた。

 「そうなんですよね。でも、あそこだけなので…。そんな作品じゃないですよ(笑い)。爽やかな青春物語です!」

 記者の邪念を美声が一気に振り払った。

 作品にはふだんのまゆゆからは聞けないセリフの数々がちりばめられている。それはまゆゆが自分とタイプの違うキャラクターになりきったことの象徴とも言える。

 文化系女子で「基本的に目立たなかった」という自身の中学時代とは対照的に、ナツキは陸上部に所属。歩きながら軽々と「バック宙」までしてしまう運動神経抜群の少女だ。

 AKBには、体育会系の色が濃いチームKを筆頭に運動神経の優れたメンバーが豊富で、役作りの参考にすることも可能だったが、あえてモデルを想定せずにアフレコの現場に臨んだ。

 「役作りとして、服装とか髪形とか外見は特に意識しませんでした。自分なりのナツキちゃんをイメージして、なりきりました」と明かす。

 テレビアニメなどで声優経験はあったが、映画の声優は初めて。アニメ好きで知られ、映画館で初めて見た作品は、宮崎駿監督の大ヒット作「千と千尋の神隠し」(01年)。「小学校低学年の時に家族で見た」時から10年以上。「声優の経験がそんなになかったので、アニメーション映画で主演をさせていただくことが不安というか…。ちゃんとできるかな?という思いがあったんですが、無事に終わりました」と胸をなで下ろす。

 今回のアフレコはその場に共演者がおらず、1人で声入れ。「たくさん苦労しました。でも、結構こだわってできましたね」とアピールした。

 中学1年でAKBに加入してから5年半。来年3月で19歳になる。

 もともと運動は苦手だが「ダンスを覚えるのが早くなった」と自らの成長を実感。一方で、一般の学生とは違う道を歩んできたため「映画では中学生のリアルな感じが描かれているので、そこはうらやましいと思う」と甘酸っぱい青春にも憧れる。

 印象に残ったシーンもケンジに好意を伝えるところ。「ナツキちゃんにとっても大事」と自然とアフレコに力が入った。

 ナツキは活発さと繊細さの二面性を併せ持つ。

 「普段は凄く元気な女の子で、本当に元気いっぱいな感じで演じました。でも、ケンジのことをずっと思っている乙女なナツキが出てきたり、その恋に悩むナツキが出てきたり、(登場人物の1人)京極君の謎を知って悩むナツキもいたり…。明るく元気なだけじゃない面があるので難しかったですね」

 劇中ではたびたびケンジに対して「バカ!」と言い放つ。決して罵倒しているわけではなく、物語が進むにつれて募る恋心を、自分の気持ちに素直になれない中学生らしく表現したもので、見どころの一つだ。

 作品全体について「青春の要素も入っていて懐かしく不思議な気持ちになれる」と強調したところで取材時間が終了。普通ならそのまま椅子から立ち上がってあいさつをして終わるところだが、まゆゆは最後にあえて視線をテーブルに落とし、つぶやいた。

 「ケンジ…」

 それは取材した「ケンジ記者」に向けてのサービスの一言。記者は平静を装おうとしたが、動揺を隠しきれず、年がいもなく赤面する様子をまゆゆと周りのスタッフに目撃されてしまった。まゆゆは、してやったりという楽しげな笑顔を浮かべ、その場から去っていった。

 完璧主義とおちゃめな一面。ナツキに「シンパシーを感じる」というまゆゆも魅力的な二面性の持ち主だ。

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