俳優デビューのケミストリー川畑要 緊張の連続も「幸せだな」

[ 2012年1月8日 06:00 ]

共演者との仲間意識を強調する川畑要

 男性デュオ「CHEMISTRY」の川畑要(32)が関西系の連続ドラマ「ハングリー!」(10日スタート、火曜後10・00)でドラマ初出演する。演技経験がない上、ロックバンドのドラマー役として演奏も求められたため最初は緊張の連続。そんな時に助けてくれたのが主演の向井理(29)ら共演者だった。

 記者が好きな料理を尋ねた時だった。隣のテーブルでサインを書いていた向井理が突然「レバ刺し!」と会話に割って入った。ポーカーフェースで言い放つ向井に、川畑は「理ちゃんはレバ刺しが好きみたい」と苦笑い。さらに向井は「寿司!」と言い残して取材場所から立ち去った。

 後ろ姿を見届ける川畑の笑顔は、撮影現場の和やかな雰囲気を端的に示す。ちゃめっ気たっぷりの向井だけでなく、塚本高史(29)三浦翔平(23)ら劇中のバンドメンバーとの距離感が縮まるたび、ドラマ初出演の川畑は救われる思いだった。

 「やる前は共演者と初めてなのでそこが一番の緊張感。顔合わせの時もドキドキした。でも、その後はプライベートでも飲みに行ったりして打ち解けた。初ドラマがこの現場でよかったです」

 取材前夜も塚本と食事に行き、カラオケ店で深夜まで熱唱したという。「オレ6時半起きだよと思いながらね」と屈託ない笑顔を見せた。

 「CHEMISTRY」でデビューしたころからドラマには興味があった。念願かなって打診された時は「来たーって感じだった」と振り返る。ただ、役柄はドラマー。本業のボーカルならいざ知らず、ドラムは未経験だった。演奏は演技でなく“本物”を求められたため、約40万円の電子ドラムを購入。レッスンに通い、猛練習を重ねた結果「ドラムが好きになった。ライブでもドラムの叩き方が気になる」と明かす。

 演技も初めてだけに撮影開始前にスタッフに“仮想向井理”になってもらい、予行演習。「声のボリュームが難しいし、滑舌を良くしようと意識しすぎると棒読みになったり」と頭をかく。不安を抱えた初物尽くしの現場で助けてくれたのが共演者だった。

 思えば昔から仲間に恵まれた。漫画「こち亀」で有名な東京都葛飾区出身。有名になった今でも夏祭りでは法被を着てみこしを担ぐ。ファンが近寄ってきても気にしない。「肩にたこができるのがうれしいんです。暇さえあれば地元に戻る」と話すほど仲間との絆は強い。

 同じような仲間意識が共演者とも芽生えつつある。最初は「川畑さん」だった呼び方は「かなめっち」に変化。空いた時間には向井らと携帯電話のゲームで盛り上がる。「もともとゲームは嫌いじゃないけど、この現場に入って凄くやるようになった」。最初はあんなに緊張した撮影現場に行くのが、今は楽しみで仕方ない。

 「幸せだなと思う。だからこそ全力で演技して吸収したい」

 そう言って瞳を輝かせた川畑。堂珍嘉邦(33)との「化学反応」が素晴らしいことから命名されたユニット名同様、新しい仲間たちとどんな「ケミストリー」を見せてくれるのか楽しみだ。

 ◆川畑 要(かわばた・かなめ)1979年(昭54)1月28日、東京都出身。01年、堂珍嘉邦(78年11月17日、広島県出身)と「CHEMISTRY」を結成。デビュー曲「PIECES OF A DREAM」がミリオンセラーになるなどヒット曲多数。

 ◆ハングリー! ロックバンドのベーシストだった山手英介(向井)は、ボーカルの平塚拓(三浦)が脱退したのを機に解散。さらにフレンチレストランのシェフだった母親の急逝でミュージシャンの夢を断念し、バンド仲間の藤沢剛(川畑)と住吉賢太(塚本)を誘って、新たな店をオープンしようと奮闘するが…。(初回は午後10時15分から放送)

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2012年1月8日のニュース