自らを「オッサン」呼ばわり 鈴木京香の“女心”

[ 2011年9月25日 12:00 ]

映画「セカンドバージン」のポスターを背にインタビューに答える鈴木京香

 女優の鈴木京香(43)が、映画「セカンドバージン」で年下の既婚男性と不倫の恋に落ちるキャリアウーマンを演じている。豊富な経験に裏打ちされた女性の強さを見せる一方で、“女性の幸せ”への思いもちらり。トップ女優の抱える宿命も感じさせた。

 自らを「オッサン」に例えた。役どころの、敏腕出版プロデューサー「るい」との共通点を尋ねたときのことだ。

 「仕事が大好きなところ、仕事に対して強い責任感を持っているところ。あとは仕事してるとオッサンになるところは似てるかな。ふふっ…3つ挙げましたけど、全部仕事のことですね」

 上品で落ち着いた大人の女性の色香、周囲を優しく包み込むオーラ。艶っぽい唇から出た「オッサン」には、少なからず驚いた。

 女優業にいちずに取り組み、時には女性にとって大切なオシャレや恋心すら抑えて打ち込んできた自負から出た言葉なのだろう。確かにバリバリ仕事をこなす「るい」と鈴木はイメージが重なる面も多い。私生活でも近いタイプと自己分析しており「いい恋に落ちても、仕事をパッと手放せないであろうところも私と似ていますね」と苦笑した。

 モデルとして芸能界入りし「愛と平成の色男」(89年)で女優デビュー。以降はホステスから豪快な刑事、専業主婦役まで、柔軟な演技力が評価されている。当初は「私には凄く強烈な個性もないし、何かを強く表現できないのではと迷った時期もあった」という。

 しかし「女優という仕事が楽しくってしようがない」と役柄には、こだわらず「ご縁やタイミングが大切」と、さまざまな仕事のオファーを受けてきた。竹中直人(55)が監督した「119」(94年)ではカニの研究者を演じた。「自分なりのアイデアを出してもいいんだと分かった。みんなが少しずついろんなものを持ち寄り、映画ができるんだと理解しました」と振り返り、これが仕事への開眼のきっかけになった。

 今回は、長谷川博己(34)演じる年下の既婚男性と不倫の恋に落ちた。好みの男性について、決まったタイプはなく「しゃべる内容が大事」と明かす。また、「さりげなく荷物を持ってくれるとか、歩道を歩いていて危険な車道側に立ってくれるとか、そういうのがいい」。男性の自然な優しさについて笑顔で語るときは、「オッサン」ではなく等身大の女性だ。

 不倫については「いけない愛の進め方」とした上で「人を愛すること自体に間違いはない。いろいろな考え方、愛し方がある」と話す。「自分の思いで相手を変えたい、分かってもらいたいと主張するのは幼いこと。相手に何も求めず受け入れる強さを、るいから感じました。るいの愛し方は一番強い女性特有の愛し方」。力強い言葉には、これまで、どんな恋愛を経験してきたのだろうかと勝手に想像してみたくなる。

 大人の女性の優しさと強さ、なまめかしさもある瞳に吸い込まれそうな時間を過ごした。ただ、一瞬見せた寂しげな表情が気になった。深田恭子(28)が演じた長谷川の妻・万理江について語った際で「私も彼女のように、素直で可愛ければ良かったな」とつぶやいた。仕事に打ち込む中で置き去りにされた“普通の女性の幸せ”への憧れがのぞいた瞬間かもしれない。

 女優としてトップを走り続け、恋の経験も重ねてきた大人の女性がたどりつくのは、どんな幸せなのか。目を離さず見ていたい。

 ◆鈴木 京香(すずき・きょうか)1968年(昭43)5月31日、仙台市生まれ。東北学院大経済学部商学科卒。在学中の88年に「カネボウ 水着キャンペーンガール」に選ばれ、芸能界デビュー。NHK朝の連続テレビ小説「君の名は」(91年)でヒロインを務めた後、フジテレビ「王様のレストラン」(95年)「非婚家族」(01年)などに出演。1メートル66。血液型A。

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