若手指揮者登竜門で日本人が連覇!小澤氏の教え胸に

[ 2011年9月25日 06:00 ]

ブザンソン国際若手指揮者コンクールで、演奏を終え拍手に応える垣内悠希さん

小澤征爾氏(76)らを輩出した若手指揮者の登竜門「第52回ブザンソン国際若手指揮者コンクール」決勝が23日、フランス東部ブザンソンで行われ、川崎市出身の垣内悠希さん(33)が優勝した。小澤氏に師事した経験を持ち「少しでも近づきたい」と抱負。優勝で、東日本大震災の被災地に「勇気を与えられれば願ってもないこと」と話した。

 20人の参加者から3人に絞り込んで行われた決勝。垣内さんは「大好きな作曲家」というシュトラウスの「ドン・ファン」などを舞うように指揮すると、客席からは大喝采。ハンガリー、ギリシャの指揮者を退けて優勝した。

 同コンクールは2年に1度行われ、前回(09年)の山田和樹さんに続いて日本人が連覇。1週間近くに及ぶ長丁場を制した垣内さんは「長かった」と疲労をにじませつつ「いい仲間たちが心から応援してくれた」と満足そうな表情を浮かべた。

 01年にウィーン留学。現在もウィーンを拠点に活動中。練習をともにした女性ピアニストは「楽譜の読みが深い」と絶賛する。小澤氏からは07~08年に指導を受けた。奏者にテンポ、音量、表情などを的確に伝えるための「指揮法」を教わった。

 「一緒に車に乗っているときに、小澤さんから“指揮にテクニックは必要ないけど、持っていればいざというとき助かるよ”と助言された。指揮法をちゃんとやっていなかったので、その時きちんとやろうと思った」。それが今回の結果につながった。

 同コンクールで日本人では59年に小澤氏が初優勝。89年には佐渡裕氏(50)も優勝しており、これで9人目。垣内さんは「小澤さんのような指揮者に」と夢を膨らませる。

 小澤氏といえば、東日本大震災後の7月に「あまりに激烈な震災で音楽が役に立たないと思うこともあったが、95年の阪神大震災後、音楽で心がひとつになった。僕は日本の強さを信じています」とエールを送っている。

 垣内さんは震災発生当時、「ウィーンから日本に一時まったく連絡が取れなかった」と振り返り、「自分にできることをやるのが今、僕にできること。日本に勇気を与えられれば」と、音楽の力で復興を後押しする決意を語った。

 ◆垣内 悠希(かきうち・ゆうき)1978年(昭53)3月24日、神奈川県生まれ。東京芸術大音楽学部楽理科卒業後、ウィーン国立音楽大指揮科を卒業し、同大学院を修了。06年にはルーマニア・ブラショフの管弦楽団を指揮して欧州デビュー。オーストリア、フィンランド、イタリアなどのオーケストラに客演を重ねる。大阪交響楽団で指揮をとったこともある。父は作曲家、母はオペラ歌手。

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