青山作品に「金ヒョウ賞」 ロカルノ映画祭で特別表彰

[ 2011年8月14日 04:33 ]

 スイス南部の保養地で開催されたロカルノ国際映画祭で13日、青山真治監督(47)の「東京公園」に「金ヒョウ賞(審査員特別賞)」が贈られることが決まった。今回特別に設けられた賞で、常設の最高賞「金ヒョウ賞」とは異なるが、同映画祭事務局は「賞の優劣はつけられない」としており、最高賞に匹敵する栄誉となった。

 東京公園は東日本大震災の被災地、仙台市で上映中。地元の北九州市から電話でインタビューに応じた青山監督は「光栄です。震災の直後に完成した作品なので、この映画が被災地の励ましになればと思っています」と話した。

 ロカルノ映画祭は、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭に次ぐ映画祭として若手監督の登竜門とされる。青山監督は審査員を務めたこともあり、常設の「金ヒョウ賞」はアルゼンチンの監督の作品に譲ったが、今回作品で高い評価を得て、これまでの実績もたたえる形での特別賞授賞となった。

 作品は小路幸也さんの同名小説の映画化。カメラマンを目指す大学生、親の再婚で義理の姉となった女性、幼なじみの女性を中心に「死」と正面から向き合うことの難しさを描いた。

 青山監督は北九州市門司区出身で小説の執筆も行っている。ロカルノへの出品は4作品目。2000年のカンヌ国際映画祭では「EUREKA(ユリイカ)」で国際映画批評家連盟賞を受賞した。

 ロカルノ国際映画祭では12日、漫才コンビ「ダウンタウン」の松本人志さんの監督作品「さや侍」が屋外にある最大8千人収容の大劇場で上映され、会場からは大きな笑いと拍手が起きた。(共同)

続きを表示

2011年8月14日のニュース