新人賞の遠藤要「小さな役でも地道に」

[ 2011年2月9日 06:00 ]

第65回毎日映画コンクール授賞式。グリーンカーペットで笑顔のスポニチグランプリ新人賞の遠藤要と徳永えり

2010年毎日映画コンクール表彰式

(2月8日 川崎シンフォニーホール)
 【新人賞】「さっきまでいいこと言おうと考えてたんですが、名前を呼ばれた途端に頭の中が真っ白になってしまいまして…」

 ブロンズ像を大事そうに抱えた遠藤はちょっぴり困った顔をして会場の雰囲気を和ませた。

 認知症の祖母と暮らすボクサー志望の青年が漫画家に“洗脳”されていく姿を描いた「イエローキッド」。迫真の演技は圧巻だった。

 女手ひとつで育ててくれた母が18歳の時に他界。翌年、千葉から上京して役者修業に入ったが、ホームレス生活も体験したほどのつらい日々の連続。しかし、決してめげなかった。そのうち運が向き始めたから世の中おもしろい。

 きっかけとなったのが三池崇史監督との出会い。07年に出演した「クローズZERO」で800人の中から見いだしてくれた恩人だ。「その前まで芸名を使ってたんですけど“本名の遠藤要の方がいいよ”とアドバイスしてくれたのも三池さん」

 それから4年、監督賞を受賞した三池監督と同じステージに立ったことは“恩返し”にもなった。遠藤は「この賞に浮かれることなく、どんな小さな役でも地道にやっていきたい」と神妙に前を向いた。

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2011年2月9日のニュース