尾上菊五郎 海老蔵の“人間国宝発言”にキツい言葉

[ 2010年12月14日 06:00 ]

「四天王御江戸鏑」発表会見で巨大な土蜘蛛をバックにフォトセッションする尾上菊五郎(右から2人目)、菊之助、時蔵(左から)、松緑(右)

 歌舞伎俳優の尾上菊五郎(68)が13日、東京都千代田区の国立劇場で、同劇場の来年1月歌舞伎公演「四天王御江戸鏑(おえどのかぶらや)」の製作発表に出席した。

 暴行事件に巻き込まれ無期限謹慎中の市川海老蔵(33)に対し「歌舞伎俳優の名前は自分のものではなく、ご先祖から受け継いでいるもの」と小言。また舞台復帰については「意外と早いんじゃないの」と予想した。
 「報道陣のみなさんには“海老”に見えるんじゃないの?」。菊五郎は会見の冒頭、「四天王…」に登場する縦1メートル50、横6メートルの土蜘蛛(クモ)の人形を指さしてニヤリ。世間を騒がせている“海老蔵暴行事件”の話題を自ら持ち出した。
 海老蔵は会見にも同席した長男・尾上菊之助(33)と幼稚園から同級生で、菊五郎にとっては“息子”のような存在。それだけに今回の事件には驚いているようだ。
 7日の海老蔵の会見は、「テレビで見た」。海老蔵と傷害容疑で逮捕された伊藤リオン容疑者(26)の証言が食い違っている点について「本人が会見で言ってるんだから、その通りなんでしょ」とバックアップした。
 しかし先輩役者として苦言も呈した。海老蔵は否定しているが、事件当夜に「オレは人間国宝」などと豪語していたとの報道について「歌舞伎役者の名前は自分のものではない。ご先祖さまから受け継いでいるもの。死んだらすぐに、息子にいく(継がれる)ものでもない。役者は芸にしっかり精進するだけだ」と厳しい口調。長年の精進の末、03年に人間国宝に認定された菊五郎としては、団十郎を襲名するのが当然と思って振る舞っているように受け止められている後輩をいさめたかったようだ。

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2010年12月14日のニュース