[ 2010年11月27日 06:00 ]

尾高忠明(C)浦野俊之

 最後は尾高忠明が指揮する読売日本交響楽団の定期。同団の名誉客演指揮者の肩書きを持つ尾高。現在は新国立劇場オペラ芸術監督、N響正指揮者、札幌響音楽監督、メルボルン響首席客演指揮者の要職を兼任。さらにBBCウェールズ響と東京フィルの桂冠指揮者のタイトルを持つなど、まさに日本を代表する実力派マエストロとしての評価を不動のものにしている。尾高の音楽作りは奇を衒わず常に真正面から作品に向かい合うスタイル。作曲家と作品を掘り下げ、そこから得た深い共感をオーケストラのメンバーとも分かち合いながら演奏を組み立てていく。最近の指揮活動では、自身と関係の深い英国の作曲家、エルガーやブリテンの魅力を紹介することに精力を傾注していることに加えて、ブルックナーの交響曲演奏にも特段のこだわりを見せている。過去に何度も聖フロリアン大聖堂をはじめとするブルックナー縁の場所を訪ね、譜面や関係資料を調べるとともにインスピレーションを得るために墓を参拝したりもしたそうだ。

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2010年11月27日のニュース