「WEAVER」目指せ!音楽界の1Q84

[ 2010年6月24日 06:00 ]

au「LISMO!」のCMに起用されたWEAVER。左から奥野翔太、杉本雄治、河邉徹。

 新人バンド「WEAVER」の新曲が、“ヒットの方程式”とも呼ばれる携帯電話auの音楽配信サービス「LISMO!」のCM曲に起用された。メンバー3人はいずれも兵庫県立神戸高校出身で、ベストセラー作家の村上春樹氏(61)の後輩。大先輩のヒットを手本に、アルバムを「前編」「後編」に分けて発売する音楽業界初の試みにも挑み、“CD界の1Q84”を目指す。

 「LISMO!」のCMに起用されたのは、7月30日から音楽配信される曲「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋(つな)ぎたいだけの愛だから~」。このCMからは絢香の「三日月」、Superflyの「Hi-Five」などがヒット。昨年末のNHK「紅白歌合戦」に出場した「flumpool」もブレークした。WEAVERについてKDDIは「ピアノサウンドが素晴らしい」と絶賛。来月30日から放送し、メンバー3人も出演する。
 8月25日にはアルバム「新世界創造記・前編」を、9月下旬には「同・後編」を発売する。アルバムを「1」「2」などに分けて発売するケースはあるが、新人が短期間で連続リリースするのは異例で、書籍のように「前編」「後編」とこだわった。ロックバンド「東京事変」などで知られる亀田誠治氏(46)が全曲をプロデュースした。
 神戸高校1年に在学中の04年、杉本雄治(21)を中心に4人で結成。卒業後の07年末に3人編成となった。その際、ギターを担当していた杉本が楽器をピアノへ変え、ギタリストがいないピアノロックバンドに生まれ変わった。その後は地元のライブハウス「VARIT」を拠点に活動、関西を代表するバンドに成長した。
 杉本はピアノ講師の母親を持ち、2歳からピアノに慣れ親しんだという。09年8月には、デビュー前にもかかわらず、夏の大型フェス「サマーソニック」大阪公演に出演を果たしている。
 3人は今年4月に上京。名門校の出身者らしく、ドラムの河邉徹(21)は現在も周2回、関西学院大に日帰りで通学中。ベースの奥野翔太(21)は大阪大工学部をバンド活動のため休学中。「音楽1本で行く」と進学しなかった杉本は読書好きで、ツアー中などに村上氏の本を愛読。「村上さんの独特の世界観のように、僕たちも自分たちの世界観をしっかり作っていければ」と話している。

 ◆WEAVER(ウィーバー)村上雄治、奥野翔太、河邉徹の21歳の3人組。バンド名は「音楽を紡ぐ人」との意味が込められている。昨年10月にデビュー。今月2日に発売した「Hard to say I love you~言い出せなくて~」は、きょう24日に最終回を迎えるフジテレビドラマ「素直になれなくて」の主題歌。

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2010年6月24日のニュース