公演リポート　東京・春・音楽祭　ワーグナー舞台神聖祝典劇「パルジファル」

シルマーの指揮の下、緻密な演奏を繰り広げたＮＨＫ交響楽団（Ｃ）青柳　聡

　「東京のオペラの森」をリニューアルして昨年再スタートをきった「東京・春・音楽祭」。今年からワーグナーの主要作品を毎年1作ずつ演奏会形式上演していく大型企画をメーンに新たな方向性が打ち出された。その第1弾はワーグナー最後の作品である舞台神聖祝典劇「パルジファル」。ウルフ・シルマー指揮ＮＨＫ交響楽団、バイロイト音楽祭やヨーロッパの名門歌劇場などで活躍中の実力派歌手を揃えて充実の演奏が繰り広げられた。また、音楽祭後半にはリッカルド・ムーティが登場し、カール・オルフの世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」を披露するという豪華プログラム。両公演を小谷和美さんのリポートで振り返ります。なお、鑑賞したのは「パルジファル」が４月４日、「カルミナ・ブラーナ」が同９日の公演で、会場はいずれも東京文化会館大ホールです。