アカデミー賞監督が来日 原爆テーマの映画制作へ

[ 2010年2月13日 18:53 ]

 米アカデミー賞ドキュメンタリー部門受賞監督のマルコム・クラークさん(55)がこのほど、広島市の原爆資料館をテーマにしたドキュメンタリー映画「戦争のない世界へ(仮題)」の制作準備のため来日した。14日に広島入りし、同資料館などを視察する。

 映画では、原爆資料館を訪れたことのある政治家や平和活動家、俳優などの著名人にインタビューし、どんな影響を受けたかを語ってもらうことで「世界平和について考える手掛かりを示したい」という。
 映画は約90分の予定で、被爆者への取材も計画しており、年内に撮影を開始。来年夏ごろに公開したいという。
 「初めて(ポーランドの)アウシュビッツ強制収容所を訪れたとき、展示物などがあまりにも恐ろしく、頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた」と振り返ったクラーク監督。「原爆資料館も同様に、何が起きたのかを実際に見せることで見学者の意識を変化させ、『二度とあってはならない』と思わせる触媒になり得る」と指摘した。
 クラーク監督は英国出身でカナダ在住。1989年、悪性リンパ腫と闘う男児のドキュメンタリー映画で米アカデミー賞を受賞。米国の作家で故J・D・サリンジャー氏の「ライ麦畑でつかまえて」をモチーフにした青春映画「ライ麦畑をさがして」を監督している。

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2010年2月13日のニュース