三田佳子「娘のように見守ってくれた森繁さん…」

[ 2009年11月10日 21:01 ]

1981年8月、愛艇メイキッス号上でご機嫌の森繁久弥さん=東京湾

 【森繁久弥さんを悼む】

 ▼俳優の三田佳子の話 先生(森繁さん)のラジオドラマで娘役をさせていただいたのが、この世界に入ったきっかけで、芸能の父としてお慕いしてきました。わたしが10年ほど前に大病を患った時にも、手紙をくれたり、本当の娘のように見守ってくれました。今は言葉もありません。

 ▼歌手の加藤登紀子の話 「歌うように語り、語るように歌え」。それが森繁さんの心でした。弾き語りで歌った「ひとり寝の子守唄」を聞いてくださったとき、「僕と同じで心で歌っているね」と言ってくださったのが初めての出会いでした。その後、「知床旅情」を歌わせていただきました。何度も一緒に声を合わせて歌い、感じたのは大陸の大きさと、日本人の優しさ、男のロマンそして色気でした。もうお会いできないと思うと本当にさみしいです。

 ▼俳優榎木孝明の話 生前の森繁さんとは、山田五十鈴先生に連れられて何度かお目にかかりました。若いころ、舞台の「屋根の上のヴァイオリン弾き」を何度も見て、いつかあんな舞台で共演できればと夢見ていた。自分がそれに手が届きそうになった時には、もう森繁さんは引退して、夢はかなわなかった。地の人間の面白さと深さを、これほど表現した俳優はいなかった。一つの時代が終わったと、実感してしまいます。

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2009年11月10日のニュース