「TOBで地位奪われる」株主が吉本興業を提訴

[ 2009年10月19日 11:38 ]

 吉本興業の非上場化を目的とした株式公開買い付け(TOB)に伴う全株式の取得は、株主の地位を一方的にはく奪するもので不当だとして、株主19人が同社などを相手取り、同意がないままの取得をやめることなどを求める訴えを19日、大阪地裁に起こした。

 TOBは民放や通信会社などが出資する投資会社「クオンタム・エンターテイメント」(東京)が、吉本の全株取得を目指して9月に開始。買い付け価格は1株1350円で、吉本側も賛同を表明している。
 TOB成立後は、クオンタム社が全株式を取得、少数株主を排除して吉本を完全子会社化する予定。吉本側は「非上場化で経営判断の迅速化などが可能になる」と説明している。
 訴状で株主側は「最終的にTOBに応じない株主も地位を奪われることになり、権利の侵害で違法。買い取り価格も安すぎる」と主張している。
 吉本興業は「訴状を見ておらず論旨不明な部分があるが、今回の公開買い付けに対する賛同表明の手続きはすべて適正に行われており、一切の疑義が生じる余地はないと確信している」としている。

続きを表示

2009年10月19日のニュース