主役級7人「不毛地帯」唐沢主演で豪華連ドラ化

[ 2009年5月15日 06:00 ]

 山崎豊子さん原作の「不毛地帯」がフジテレビ開局50周年記念として連続ドラマ化される。主演は唐沢寿明(45)で、木曜午後10時枠で10月にスタートする。通常の3カ月ではなく、6カ月間の放送を予定。共演も和久井映見(38)、天海祐希(41)、柳葉敏郎(48)らで、ゴールデンタイム(午後7~10時)の連続ドラマ主演経験者が計7人という豪華な顔触れとなる。

 物語は太平洋戦争中、エリート参謀だった壹岐正(いき・ただし)が戦後、11年にわたるシベリア抑留体験を終えて帰国。商社マンに転身し激烈な国際商戦で、戦争体験という葛藤(かっとう)を抱えながら世界と戦う姿を描く。

 ドラマは7月にクランクイン。終戦から高度成長期までの約30年間、世界各地を舞台にする超大作とあって、ニュージーランドなど複数国での国際ロケを盛り込みながら撮影。放送期間も約半年をかけ、壮大な物語とともに各登場人物のキャラクター、芝居をしっかり見せる。

 長部聡介プロデューサーは「開局50周年企画としてふさわしい作品を考えた時、やはりその歴史の流れを感じさせるものがいいと思った」と説明。唐沢の起用理由について「主人公は戦争の加害者であり、被害者でもある。この複雑な役を演じられるのは、役者としての圧倒的な存在感と抜群の演技力を持つ唐沢さん以外ない」としている。

 唐沢は、同局の開局45周年記念ドラマとして03年10月から翌04年3月まで放送され、原作が同じ山崎さんの「白い巨塔」でも主演。同作は全21話で平均23・9%(関東地区、ビデオリサーチ)の高視聴率を記録し話題となった。今回も超大作の主演にプレッシャーを感じているようで「きちんと取材され完ぺきな読み応えのある作品ですし、当時を知っている方だとダイレクトにいろいろなことを思い浮かべる作品なので、前作と同様に緊張します」とコメント。一方で「主人公は、冷静で淡々と的確に物事を進めていく有能なイメージ。感情を表に出さず演じなければならないので難しいと思いますが、白い巨塔を超えられるくらいのいいドラマを作るために精いっぱいやりたい」と意気込んでいる。

 ▽不毛地帯 1973年から78年までサンデー毎日で連載。単行本は累計430万部(09年5月現在)を売り上げた。元伊藤忠商事会長で中曽根康弘元首相のブレーンとしても手腕を発揮し、07年9月に亡くなった瀬島龍三氏が、主人公のモデルとされている。山崎さんは「物語はフィクション」としている。1976年に仲代達矢(76)主演で映画化され、79年には平幹二朗(75)主演でTBSがドラマ化。

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2009年5月15日のニュース