「吾亦紅」きっかけで父娘再会“続編”が完成

[ 2009年1月19日 06:00 ]

最新曲「鮨屋で…」が話題になっている歌手のあさみちゆき

 あさみちゆき(31)の最新曲「鮨(すし)屋で…」が話題になっている。離ればなれになった父娘の絆(きずな)を描いた歌で、7日付の有線リクエストチャートで1位を記録したが、実はすぎもとまさと(59)の「吾亦紅」の続編として、同曲の制作スタッフの実話から誕生した作品。作曲は杉本眞人氏が手掛けている。

 「鮨屋で…」は、両親が離婚し母親に引き取られた娘が父親に思いをはせる物語。
 続編といわれるのは「吾亦紅」の3番の歌詞に来月で俺(オレ) 離婚するんだよ…と、息子が母親の墓前に報告するシーンがあるため。作曲が杉本氏で、親子の絆をテーマにしている点も酷似していることから、「鮨屋で…」はその息子が離婚した後が舞台で、その息子の娘の目線で描かれていると想像している人が多いようだ。
 「鮨屋で…」は作詞家の井上千穂氏の実話がもと。所属レコード会社は「吾亦紅は杉本さんの実話をベースにした作品なのでストーリーは全く別です」と説明するが、楽曲誕生の背景には深く関係している。
 井上千穂という名前は「吾亦紅」の制作スタッフのペンネーム。同曲が大好きだった井上氏の娘が「この歌を作ったのは誰なんだろう」と調べていたところ、離婚して離ればなれになっていた父親が携わっていたことが分かり、レコード会社を通じてコンタクトを取り久しぶりに父娘が対面。そこで話したことが歌詞のベースになった。
 杉本氏は「この歌は吾亦紅と似て、すぐに曲ができた。みんなこういう物語があるんだなと感動しました」と話す。歌手名「すぎもとまさと」として昨年9月に発売したアルバム「Heartful&Soulful」に収録。これを、あさみが「歌わせてほしい」と杉本氏に懇願し、昨年12月にシングル盤で発売された。
 「吾亦紅」は親子愛の希薄さが叫ばれる中で時代に求められるように大ヒットした。「鮨屋で…」もまたヒットの兆しをみせており、杉本氏は「親子愛や絆だったり、現代は忘れているものが多いんだと思います」と分析。あさみは「この歌のような体験はないけど、聴いて涙が止まらなかった。親子の絆を教えてもらったような気がします」と話した。

続きを表示

2009年1月19日のニュース