「海角七号」台湾映画興行記録塗り替え

[ 2008年10月16日 20:26 ]

 日本人女性と台湾人男性のラブストーリーなど、日台の「きずな」を背景に、台湾社会を生き生きと描いた映画「海角七号」が大ヒット中だ。8月末の封切りからの興行成績は約4億台湾ドル(約12億円)を突破、台湾の映画史上の売り上げ記録を塗り替えている。

 登場人物はいずれもメディアの人気者となり、関連グッズも売り切れ続出。魏徳聖監督(39)に、馬英九総統も「台湾の人々に夢を与えた」と賛辞を贈った。

 約5000万台湾ドルの低予算作品で、台湾南部にある海辺の町が舞台。敗戦で台湾から引き揚げた日本人男性が恋人の台湾人女性にあてたラブレターが見つかり、これを届けようとする台湾人男性と、日本人女性の触れ合いを描く。

 せりふのほとんどが台湾語と日本語のため、ヒットの背景に「日本統治時代への懐古や、対中接近を進める馬政権への社会不満がある」との見方も。しかし魏監督は「政治的対立より、他者への包容力を忘れないでほしいという願いを込めた」と指摘する。

 日本での一般公開は未定だが、魏監督は「できるだけ多くの日本人に見てほしい」と話している。(共同)

続きを表示

2008年10月16日のニュース