タイトル初挑戦の別府優樹が大逆転で初ベルト ジムにとっても約40年で初タイトル

[ 2019年12月8日 18:36 ]

プロボクシング WBOアジアパシフィック・ウエルター級王座決定戦12回戦   ○同級1位・別府優樹 10回2分11秒TKO 同級2位・矢田良太● ( 2019年12月8日    エディオンアリーナ大阪第2競技場 )

試合序盤に別府優樹(左)はジャブで矢田良太をけん制
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 大逆転で初めてのベルトをつかんだ別府優樹(28=久留米櫛間&別府優樹)は「まだ実感が湧かない。これからじゃないですか」と頬を緩めた。

 9回までの採点はジャッジ3人とも80―85。それも当然だ。矢田良太(30=グリーンツダ)が大振りする右に対し「スウェーでかわしているつもりだけど、なぎ倒される感じだった」と計5度のダウンを喫していた。

 立ち上がりはジャブを的確に当て2回に右アッパーでダウンを奪い、矢田をふらつかせた。その後もダメージを与え続けたものの、攻勢をかけて振りが大きいぶん、防御が甘い。しかも7回に喫したダウンはパンチをもらっていない。ガードの上からでも右強打を放ち続けた影響で手首を故障。「全身がしびれる感じ」の痛みで思わず膝を屈していた。

 それでも8回以降は丁寧にジャブを突き、ボディーを組み込んだトリプルなど、ほぼ左だけで攻撃を組み立てて対抗。3回に左、8回に右と両まぶたをパンチで切られた矢田はかなり顔を腫らし、9回にはドクターチェックも受けていた。別府は10回に痛む右も使っての連打でレフェリーストップを呼び込んだ。

 先月に萌(めぐみ)さん(30)と結婚し、来年1月には第1子となる女の子が生まれる。「矢田選手も子供が生まれたらしいので、お互いに気持ちが入った試合になったと思います。パパになった時にベルトを見せられるのがうれしい。(子供は)分からないでしょうけど」。優しげな笑みを浮かべた。

 本人だけでなく、櫛間昭会長(71)にとってもジム開設から約40年で初めてのタイトル獲得だ。タイトル戦に送り込んだ教え子は別府で5人目だった。89年5月に日本ウエルター級王者の吉野弘幸(ワタナベ)に挑んだ山口真澄は、ノーガードで左右を大振りする豪快なスタイルで2度のダウンを奪うも、3度倒されて初回KO負け。それ以降の3人もベルトには手が届かなかった。同ジムがタイトル初挑戦した試合に引けを取らない劇的な展開で、ついにベルトを獲った。「40年目の春が来ました。来年はうちのヤツの三回忌。その前に約束を果たせました」と目を潤ませる。18年6月に他界した峯子夫人は家事に加え、ジムの経理やスポンサーへの対応など、さまざまに会長をサポートしていた。この日は勝利後のリングに遺影を抱いて上がり、天国の奥さんにも喜びを報告した。

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