阪神・西勇 14年連続100イニング到達 三浦大輔以来、史上15人目「記録これからもクリアできたら」

[ 2024年8月13日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0ー1巨人 ( 2024年8月12日    東京D )

<巨・神>7回、岸田を投ゴロに打ち取った阪神・西勇はガッツポーズ(撮影・沢田 明徳)
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 快挙達成にも、笑顔はなかった。阪神・西勇は7回4安打1失点(自責0)と好投したが、打線の援護に恵まれず4敗目を喫した。

 「(失策は)起こることだし、責める理由はない。結果的に、あの1点だったというだけ」

 初回の1失点が、決勝点となった。初回2死二塁、岡本和の三塁線へのゴロを佐藤輝が好捕し、チェンジ…のはずが一塁悪送球。思わぬ形で先制点を許した。それでもベテランは引きずらない。即座に切り替え、以降は7回まで巨人打線を寄せ付けず。「梅野と2人で目的をしっかり持ちながら投げられた」と、うなずいた。

 その途上で一つの節目を通過していた。2回1死で岸田を右飛に仕留め、今季100投球回に到達。これで14年連続で「100イニング」をクリアした。プロ野球史上15人目で、現役選手では最長という価値ある記録。右腕の鉄腕ぶりを、如実に物語る数値だ。惜しくも節目を迎えたマウンドを白星で彩ることはできなかったが、「達成した人が少ない記録というのを、これからもクリアできたらと思う」と前を向いた。

 “型にはまらないこと”が、一線級で活躍し続けられる要因の一つだろう。「練習する上で“今日はこれはしない”とかは、決めない。雨の日でも、雨天の試合のときに左右されたくないから走る。型にはめて、型通りにやるのではなく、自分で常に考えてやる。最後は、そういう選手が生き残る」。その積み重ねが、14年連続100投球回の礎となった。そして、さらなる上積みへとつながる。

 そんな猛虎最年長右腕は、個人成績よりチーム成績を重視する。「今日の負けにへこむことなく、明日に向け前を見るだけ。明日いい形でバッテリーが勝ちに導いてほしい」。酸いも甘いも知る百戦錬磨のベテランは、そう言って前を向いた。(松本 航亮)

 ○…西勇(神)が2回、岸田の右飛で奪った2アウト目でシーズン100イニングに到達。オリックス時代の11年から14年連続の大台到達は、現役投手が継続中のものでは単独最長。歴代で14年以上連続は、三浦大輔の95年から09年にかけての15年連続以来15年ぶり15人目。最長は米田哲也、鈴木啓示、東尾修、山田久志の19年連続。

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