【落合×福本豊対談】阪急から指名も会社は猛反対　球団との面会は2週間後「ステーキで負けた」

対談後に記念撮影をする落合博満氏（左）と福本豊氏（撮影・大城　有生希）
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　現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏（70）が15日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第7回目として、当時世界記録だったプロ通算1065盗塁を誇る「世界の盗塁王」こと福本豊氏（76）をゲストに招いて対談を行った。

　落合氏は「松下電器では都市対抗に何回出たんですか？」と質問。福本氏は「3年目で（富士製鉄広畑の）補強で行って優勝したんです。あの時に近鉄に（1968年ドラフト3位で）行った岡田（光雄）いうピッチャーがいた。加藤がおって」と後にプロ入りする3人を中心に勝ち進んでいったという。「もう負けるやろ、もう負けるやろ、が優勝してしまった。そのチームの中に左の（1969年近鉄ドラフト2位の）神部（年男）さんがおられて。それで優勝したんですよ」と振り返った。

　阪急のドラフト同期は1位が山田久志氏、加藤氏が2位で、福本氏が7位だった。しかし、福本氏はドラフト当日、自身は指名されないものと思っていたという。「もうそんなもん関係ない思って、ドラフトの日なんていつも通り電車に乗って帰る。次の日に初めて“お前（新聞に）載ってたで”って言われて、あっ、そうなんって。先輩に言われて新聞の下の方に7番目やから小さい字で書いてあって。嘘でしょ、こんなの。ええ加減でしょ言うて。（スカウトを）待ってたら全然来なくてね」とドラフト当日はスカウトから連絡もなかったという。

　会社からは「おまえは小さいからプロ行ったって無理やから行くな。負けるの分かってるやろうから行くな」とプロ入りを断念するように言われたという。「（ドラフトから）2週間くらいしてからやっと（スカウトと）話をさせてもらった。会わせてくれなかった、会社が。“無理やから。行かさないから”と会社が言うてたみたいで」と会社がスカウトとの面会を断っていたという。

　しかし、福本氏は「1回話だけ聞かせてくださいよ」と会社に懇願。ついに阪急スカウトとの面会が実現した。「3回、4回話をしていて（スカウトは）ええことばっかり言うんやけど、（会社は）その逆ばっかり言うてたんですよね。それでスカウトが阪急のホテルの下のレストランに連れて行ってくれて、ステーキハウスでステーキを食わせてもらった。自分は肉好きやからね。会うたびにどこかのステーキ食いに連れて行ってもらって、ステーキで負けましたね」と話すと、落合氏は声を上げて笑った。

　落合氏が「指名されてその日に連絡はなかったんですか？」と聞くと、福本氏は「全然、全然」と答えた。「先輩が“あれ、どないなった”って聞くけど、僕何も知りませんで言うて。スカウト来てないんか？知りませんって。（スカウトが）会社に止められてたんでしょうね」と振り返った。