「厳しい戦い」でも前へ 「チームはファミリー」明るく厳しく成長目指す今江イーグルス

[ 2024年4月2日 10:42 ]

<楽・西3>スタンドの声援に応える今江監督(撮影・篠原岳夫)
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 新生今江イーグルスが初勝利を挙げた。西武との開幕3戦目。3―3の延長11回1死一、三塁から小深田の飛球が左翼へ上がり、プロ初出場だった代走の辰見が返球よりも一瞬早くヘッドスライディングで生還。3時間56分の激闘の末、つかんだ劇的サヨナラ勝利に、あっという間に歓喜の輪が広がった。

 本拠地で開幕を迎えながら2連敗。この日も敗れて3連敗となっていたら、一気にムードが暗くなっていたかもしれない。恩師のバレンタイン氏にならい、「チームはファミリー」という指揮官は「めちゃくちゃ声出しました。監督だから声出さないとか、そんなのない」と話し、「試合に出ていない岡島や伊藤裕季也、山田もそう。コーチ陣もみんなが声を出して、なんとかっていう思いでやってくれた」と感謝を口にした。

 今江監督のモットーの一つが「笑う門には福来る」。グラウンドでも取材対応中でも基本的には柔和な笑みが印象的だ。だが、2月中には対外試合で四死球を連発していた投手陣に「ゾーン内に投げ込めないとマウンドに立つ資格も難しくなる」と初カミナリ。勝負の厳しさを植え付けられた投手陣は、オープン戦で12球団中3位のチーム防御率2・34と奮闘し、指揮官も「レベルの高いところで、いい争いをしてくれた」と評価した。

 記者の子供時代も普段優しい先生ほど、怒った時はピシャッと空気が引き締まった記憶がある。今季の楽天は、解説者の予想の大半が最下位。下馬評は軒並み低く「厳しい戦いになる」と指揮官も戦力不足を認識している。長いシーズン、苦しい時期は必ずくる。その時にチームをどう立て直すことができるか。監督を含め、発展途上のチームの成長を感じ取り、ファンに届けていきたい。(記者コラム・花里 雄太)

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