ソフトB・有原 苦しむ鷹投の救世主になる 早大時代の“庭”神宮で移籍初星だ 「とにかく貢献したい」

[ 2023年6月13日 05:00 ]

ダッシュを行う有原(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクは13日からヤクルトと3連戦を行う。先陣を切るのは、前回6日の移籍後初登板初先発で7回途中5安打1失点と好投した有原航平投手(30)。舞台となる神宮球場は早大時代に東京六大学リーグ戦で通算19勝をマークした思い出の球場。大関、藤井らの離脱で先発陣が苦しくなったチームを救う力投を誓った。

 マウンドさばき同様に冷静な口ぶりだったが、言葉の端々には期する思いがにじみ出ていた。移籍後2度目となる先発の舞台は、思い出が詰まっている神宮球場。有原は「とにかくチームに貢献したい。1イニングでも多く投げる、それだけ」と語った。

 早大時代にはリーグ戦通算19勝を挙げ、2年時には全日本大学野球選手権で優勝、3年秋には最優秀防御率を獲得した。プロでは日本ハム時代の17年6月18日のヤクルト戦以来2度目の登板。9回途中まで3安打3失点に抑えて白星を挙げ、打ってはプロ初安打をマークした。「そこがあったからプロ野球に入れたと思っている。僕にとって思い出深い場所というか、特別な場所です」と6年ぶりの登板を待ちわびた。

 移籍後初登板だった前回6日のDeNA戦では白星こそ手にできなかったが、7回途中5安打1失点(自責点0)と好投。直球が走り、ボールを低めに集め粘り強く投げた。今回は両翼が97・5メートルと狭い神宮での登板だけに「とにかく低めでゴロを打たせる投球をしたい」と一発を警戒しながら話した。米球界に挑戦していた昨年までの2年間で、ヤクルト・村上が球界を代表する打者へ成長した。「凄くいい打者。ホームランで試合の流れや球場の雰囲気が変わるので丁寧に投げたい」と話した。

 チームは大関が体調不良、藤井が左脇腹の故障で戦線離脱し、先発投手の台所事情が苦しくなった。斎藤学投手コーチは「ここから本当のスタートを切ってもらって、ローテーションから外れず、年間通して投げてもらいたい」と救世主として期待した。

 登板過多となっている救援陣も松本裕が体調不良で離脱し、板東の先発への配置転換があり、投手陣全体が踏ん張りどころを迎えている。有原は「(救援陣には)前回も助けてもらっている。1イニングでも1アウトでも多く投げたい」と思い出の詰まった神宮のマウンドを限界いっぱいまで守る決意だった。(森 寛一)

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2023年6月13日のニュース