ソフトB・井崎燦志郎 育成2年目の最速153キロ右腕 自信もたらしてくれた千賀さんに結果で恩返しを

[ 2023年6月13日 07:10 ]

キャッチボールで調整する井崎
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする筑後鷹の第32回は育成2年目の最速153キロ右腕、井崎燦志郎投手(19)だ。3、4軍の非公式戦で好投を続けている。昨年まで在籍したメッツの千賀滉大投手(30)から送られた金言、高校時代に対戦したオリックスの山下舜平大投手(20)への思いも語った。

 井崎が2年目の飛躍を目指して今年から新設された4軍で奮闘している。左腿を痛めてリハビリ組にいた時期もあったが、すでに完治。3、4軍の非公式戦で防御率こそ3点台だが、直球は自己最速を更新して153キロ。「順調に投げられていると思います」とうなずく。

 進学校の福岡高から育成枠で入団した昨年は3軍で23試合に登板して防御率8・74。35回で37四死球と制球に苦しんだ。オフの期間はフォームを試行錯誤しつつ、ブルペンから“抜かない”ことを意識して投げ込んだ。「軽く投げたら体が強くならないというか。体が球速についてこれなくて去年のようにケガをしてしまう」と体と向き合いながら取り組んだ。 この春にはブルペンでも150キロ前後のボールが安定して出るようになった。「強い球をたくさん投げてきたことが球速アップにつながっている」と分析。課題の制球も3、4軍の非公式戦で14回2/3で12四球と改善傾向にある。「バッターと勝負できるようになってきた」と手応えを語る。

 自信をもたらしてくれた先輩に結果で恩返しがしたい。今年から米大リーグのメッツに移籍した千賀だ。同じ育成枠から支配下登録されて87勝を挙げた。昨年筑後で調整していた際にキャッチボールの姿を評価されたという。「1軍を目指すために筑後に慣れてはいけない」という言葉とともに、「いい意味で自分は周りと違うぐらいの気持ちでいなさい」という心強い言葉をもらった。

 いつかは投げ合いたい投手がいる。1軍で5勝を挙げて大ブレークしているオリックスの山下舜平大だ。高校時代に対戦。新型コロナの影響で県大会が中止され独自大会として開催された決勝で舞台は1軍の本拠地ペイペイドームだった。当時は直球とカーブしか投げなかった福岡大大濠の山下はとことん直球で攻めてきた。打席では抑えられたが、チームはサヨナラ勝ち。「あのときはちょっと身近に感じた。また大きな差がついちゃったんですけど、いい意味で身近な目標になっています」と熱い思いを語った。

 中田4軍投手コーチは「素晴らしい真っすぐを投げている。どんどん伸びしろがある選手だと思います」と評価。現在は直球だけでなくスライダーも練習中で「真っすぐを伸ばしていきながら変化球を習得していく」とプランを考えている。
 残りのシーズンに向け「まずは4軍の先発で試合をつくれないと2軍は遠いと思うので、課題をつぶしながらケガをしないようにやっていきたい」と井崎。目をギラギラさせながら筑後で汗を流している。(杉浦 友樹)

 ◇井崎 燦志郎(いざき・さんしろう)2004年(平16)2月9日生まれ、福岡県出身の19歳。小4から野球を始める。福岡高では、2年夏の代替大会福岡地区大会で優勝したが、甲子園出場なし。背番号は139。リラックス方法は寮で歌を歌うこと。1メートル87、84キロ。右投げ右打ち。

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